2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K01451
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
柴田 直子 神奈川大学, 法学部, 教授 (20409840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸田 雅治 神奈川大学, 法学部, 教授 (10635460)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | コミュニティ・コート / ドラッグ・コート / 自治体 / 英米法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アメリカの自治体の司法的機能について、3つの領域に分けて調査をし、アメリカの地方自治への理解を深めることを目的とするものである。2年目となる本年度は、「コミュニティの問題解決」の場となっている、コミュニティ・コート、ドラッグ・コートについて調査を行った。 本年度は、海外での調査としては、アメリカの東海岸(ニューヨーク市)と西海岸(シアトル市)、カナダ(ヴァンクーヴァー市)で自治体裁判所及びコミュニティ・コートへの訪問調査及び自治体裁判所に関する専門家へのヒアリング調査を行うことを予定していた。日本国内では、ドラッグ中毒患者の社会復帰を支援するNPOへの訪問調査を行う予定であった。 アメリカの東海岸については、ニューヨーク市及び州のコミュニティ・コートとドラッグコートを訪問し、裁判官、事務官、ドラッグ患者やホームレスの支援を行っているNPOのスタッフの方々へのヒアリングを実施し、また、現地で貴重な資料を収集することができた。ここからは、アメリカの自治体において実施されている司法的な活動と機能及びコミュニティとのかかわりの具体的な事例や問題点についての情報を得た。アメリカの西海岸及びカナダの西海岸への訪問調査は、コロナ禍の影響により実施できなかったため、次年度に延期することとした。 アメリカ、カナダへの訪問調査を実施できなかった代わりに、3年目に実施を予定していたニュージーランドの地方自治及びアルコール中毒・ドラッグ中毒の当事者の問題について扱う特別刑事裁判制度の取組について文献調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、昨年度に文献調査では十分に得られなかったアメリカ及びカナダの自治体裁判所とコミュニティ・コートの実際の機能について、現地を調査することによって明らかにすることであった。ニューヨーク市への訪問調査から、コミュニティ・コートの機能と関連するNPOとの関係、自治体裁判所の機能などが明らかになったが、年度末に予定していたシアトル市及びヴァンクーヴァ―市への調査はコロナ・ウィルスの蔓延による渡航の自粛により行うことができなかった。これについては、次年度に実施できるよう調整したい。ただし、次年度にも渡航が難しい場合には、電話調査など別の方法を用いた調査についても検討したい。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目は最終年度であるが、2年目に実施できていない調査があるため、まずはその実施を進めたい。しかし、海外への訪問調査は当面は難しいことが予想され、また電話調査では十分に裁判所の実際の機能についての情報が得られないかもしれないことが本年度の研究を進めていくうえでの懸案事項である。その場合、日本のNPOへの調査を通して、日本の自治体の機能という点から同じ問題にアプローチしたい。
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Causes of Carryover |
本年度に実施を予定していた海外でのヒアリング調査と国内でのヒアリング調査がコロナ禍により実施できなかったため差額が生じた。 本年度実施できなかった調査について、次年度に実施を行う。
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