2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K01513
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
北原 稔 大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (80468727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 保規 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (90383950)
安藤 至大 日本大学, 経済学部, 教授 (80377126)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 安定性とアンマッチ / 半順序 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の主な実績は、以下の二点である。 まず、国際的査読誌に「On the number of employed in the matching model」が公刊された。これにより、安定性の要求によりマッチ数が半分にまで落ち込んでしまう場合があることが、より広く知られることを期待する。特に、研修医マッチングで既に導入され、学生のゼミ所属決めに導入する大学も増えつつあるDAアルゴリズムにも、その安定性の要求が、どこにも決まらずに終わる研修医や学生を多く生じさせている可能性があることになる。安定性がそのリスクを考えてもなお課されるべき性質であるのか、より丁寧に検討した上で導入判断がなされる様になることを期待する。 また、優先順位の内、不要に順序付けをしている部分を外すことによるマッチングの改善の可能性を調べるアルゴリズムに関する「Improving Efficiency in School Choice under Partial Priorities」を、学会発表、及び、国際的査読誌への投稿を行う所まで、まとめ上げた。特に、「わずかな差であれば優劣を付けない」が「トータルではわずかな差でも、全項目(例:入試であれば、全科目)で上回っていれば上位とする」様な場合まで扱える様になった。半順序まで緩められたことがポイントである:例えば前者について、全順序に限定されていたら、「1点低いだけなら無差別」とすると、「0点と1点は無差別」かつ「1点と2点は無差別」より「0点と2点は無差別」、…「0点と100点は無差別」とせざるを得なくなってしまう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主要部分についての成果が早くも国際的査読誌に公刊されたことは、当初の計画以上の進捗であった。また、二点目についても、当初の計画以上の成果であり、かつ、順調に、学会発表、国際的査読誌への投稿まで持って行くことができた。一方で、今年度も成果がマッチング・基礎理論寄りであり、面接・応用面での進捗が遅れている所がある。以上より、この評価とする。
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Strategy for Future Research Activity |
二点目に関連してさらに成果が出そうであり、残り期間が来年度のみであることから、まずは着実にそちらを仕上げ、国際的査読誌への投稿まで持って行くことに注力する。一方で、面接・応用面の方でも、研修医マッチングのデータに少し興味深い傾向が見つかっており、その傾向に関する定量的な分析の可能性を探って行く。
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Causes of Carryover |
進捗状況から引き続き次年度に高頻度の打ち合わせの発生が予想されること、国際学会発表を予定していること、また、そもそも次年度の配分額が当初の計画に対し3割以上不足していたことから、次年度に備えて支出を抑えた。
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Research Products
(2 results)