2019 Fiscal Year Research-status Report
世帯統計ミクロデータによる国際比較分析に関する研究
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18K01557
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
岡本 基 統計数理研究所, 運営企画本部, URA (90599870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 雅代 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 助教 (30739199)
馬場 康維 統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 名誉教授 (90000215)
米澤 香 公益財団法人統計情報研究開発センター, その他部局等, 研究員 (50443320)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 世帯統計 / 国際比較分析 / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は特に「国際ミクロ統計データベース」の利用環境整備及び実証分析を中心に進めた。 研究代表者の岡本は、現在、立川に設置している情報・システム研究機構のオンサイト利用環境にオンライン・オフライン型の利用環境を構築し、実際のデータ利用を通して、両者を併存させるための手法について検討を進めた。2019年11月28日~12月3日には、情報・システム研究機構、(公財)統計情報研究開発センターとの共催による"The 11th International Workshop on Analysis of Micro Data of Official Statistics"を開催し、試行版データの提供を受けるとともに、提供国の統計部局関係者にデータベース利用者による研究成果をフィードバックした。 分担者の廣瀬は、EBPMの重要性が認識されつつある昨今の状況において、統計的データ解析法の研究を行い、国際ミクロデータ分析への適用可能性を探り、次年度におけるデータ分析課題の検討を進めた。 分担者の馬場と米澤は、タイの家族構成を明らかにするために、HSES2009、2011のミクロデータを用いて世帯主を中心とした世帯類型(29区分)を作成し、この世帯類型をもとにタイの世帯類型の特徴を検討した。2009、2011年において、単独世帯、世帯主夫婦のみの世帯、世帯主夫婦と未婚の子供世帯が5割以上を占め、前者の2つの世帯類型は割合が増加、後者の1つの世帯類型は減少していた。世帯主夫婦のみの世帯の増加は、世帯主夫婦と未婚の子供世帯から子供が独立したことで変化した世帯が増えている可能性が指摘された。また、単独世帯の増加の理由は都市部と農村部で異なり、都市部では世帯主の年齢層が比較的若いのに対し、農村部の世帯主は高齢でかつ配偶者との死別が主な原因となっていたことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際比較研究を進めるための基礎となるデータベースと利用環境の整備を進め、実際のデータ利用を通じた世帯統計の実証分析を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、整備を進めたデータベースとオンサイト利用施設を活用した国際比較の実証分析を進める。また、引き続き、データベース収録のデータ、目的外申請による我が国のミクロデータ等によるデータの信頼性向上のための各種補正方法の検討を進める。
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Causes of Carryover |
国際ワークショップの招へい旅費が予定よりも安価に収まったため。発生した余剰については、主に次年度の国際ワークショップ招へい支援の拡大、機器、ソフトウェア等の研究環境整備に使用する。
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Research Products
(7 results)