2018 Fiscal Year Research-status Report
Understanding the purpose of household electricity usage to promote energy conservation
Project/Area Number |
18K01578
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
松本 茂 青山学院大学, 経済学部, 教授 (00330168)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 世帯のエネルギー消費 / LED化 / トップランナープログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,以下の5つの研究課題に取り組むことを予定している.【課題1】総務省の全国消費実態調査(全消調査)と二酸化炭素排出量の推計に関わる実態調査(CO2調査)のデータを入手・分析し,どの様な世帯がどの様な家電にどれ位の電気を利用しているか,どの様に節電行動を行っているかを明らかにする.【課題2】家電の省エネ化がどれ位世帯の電力消費の削減に貢献したか,省エネ技術の影響評価を行う.【課題3】全消調査とCO2調査のデータ分析の結果を人口将来予測と組み合わせることで,家計部門の電力消費が将来どの様に変化していくか,人口動態の影響予測を行う.【課題4】エネルギー課税の逆進性の緩和策を提案する.【課題5】同一世帯が電気料金の変化に応じて,電力使用量をどの様に変化させたかについて調査する.
2018年度は,課題1に関連して,世帯の家電別のエネルギー消費量を推計し,LED化による節電量も推計した.そして,2件の学会発表を行った.成果論文は,現在英文査読誌に投稿中である.課題2に関連した成果論文を英文査読誌に掲載した.同論文ではトップランナープログラムの省エネ効果が家電の大きさと数が増加したために,失われてしまったことが示されている.この結果は,家庭が節電できたお金を他のエネルギーサービスの使用にまわせる場合には,技術進歩だけにたよっていては省エネ化を望めないということを示唆している.課題3と課題4と課題5については,次年度の分析のためのデータ整理,業者との打ち合わせなどの下準備を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度の段階で,2件の学会報告と1本の論文掲載まで済ませることができている.2019年度にも2件の国際学会での報告が採択されており,1本の論文掲載も既に決定している.加えて,現在2本の論文を英文査読誌に投稿中であり,更なる研究成果の講評が期待される.研究課題1-3については,既に一定の成果が出ているが,研究課題4-5についても,準備は順調に進んでいるといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度から来年度にかけては,学会報告を行った論文の専門誌への掲載を目指すとともに,残された以下の2つの研究課題を着実に進める。【課題4】全国消費実態調査のデータを利用し,どの様な世帯がどの様な目的で電気を利用しているかを示した後に,逆進性の緩和策の提案を行うことを目指す。【課題5】調査会社に依頼を行い複数年の電気代が確認できる世帯を選別して貰う.それらの世帯の電気代の変化を分析することで,電力料金の影響分析を行う.初年度にスクリーニングは住んでいるので,本年度に継続調査を実施する予定である.
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Causes of Carryover |
気象条件の理由からアンケートの実施を次年度としたため。
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Research Products
(4 results)