2018 Fiscal Year Research-status Report
イノベーション・ダイナミクスと地域貢献型中小企業の事業展開に関する経済史研究
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18K01718
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| Research Institution | University of Tsukuba |
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Principal Investigator |
平沢 照雄 筑波大学, 人文社会系, 教授 (70218775)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 地域貢献型企業 / イノベーション・ダイナミクス / ニッチトップ型企業 / 精密機器企業 / 電球企業 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究はグローバル競争の進展とともに地域経済の衰退、空洞化が問題視されるなかで、「地域にこだわり地域に貢献する企業」を地域貢献型企業として注目し、その革新的な事業展開について経済・経営史的に明らかにすることを目的とする。そのため平成30年度は、以下の3つの調査研究を進めた。1つは、長野県飯田市において次年度に聞き取り調査を予定している精密企業(M社)に関する資料調査を実施して関連情報の収集を行った。また飯田市を本拠として活躍する地域貢献型企業であるT社が中心となって取り組んでいる新規＝航空宇宙関連産業の創出に関して、東京で開催された航空・宇宙機器開発展示会などで情報の収集を行った。2つめは、電球企業O社ならびに同社からスピン・アウトして設立されたS社の事業展開に着目し、地域貢献企業であったO社が進出先の秋田から鹿児島に事業移転をする際に、地域経済への影響を極力緩和する措置の一環としてS社を秋田に新設し、事業の一部継続をはかった点を明らかにした。また飯田市におけるLED照明器具に関する企業連携の取り組みに関する現地資料調査と、東京で開催されたライティング・フェア2019などへの参加によりLED電球企業の事業展開に関しても情報収集を行うことができた。3つめは本研究を進めるなかで、ニッチトップ型の中小企業（自社製品を積極的に開発・製造し、ニッチな販売市場において高い競争力とシェアを有する企業）の地域貢献型企業としての重要性に着眼するに至った。そこで茨城県で活躍するN社において聞き取り調査を実施し、その立地戦略と事業展開の特徴に関して一定の成果をあげることができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度は本研究課題の1年目にあたり、当初の研究計画では海外(中国)と国内(青森県)でも聞き取り調査を実施する予定であった。しかしながら本年度になり勤務先の大学で役職(学類長)についたことから同公務との調整で長期学外出張の計画をたてることが容易ではない状況にあった。加えて海外調査に関しては、計画段階では現地に関する助言とともに通訳を兼ねる形で調査に参加してもらう予定でいた人が海外で事故にあうという予期しないことが起こった。そのため、飯田市や東京等の地理的に近く出張し易い場所での調査を優先し、上記２つの調査に関しては次年度以降に改めて実施することに計画を変更した。その一方で、研究実績の概要に記したように茨城における地域貢献型企業の調査と論文作成を新たに行うことができた。以上を総合した場合、現在までの進捗状況をやや遅れているものと自己点検評価した。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の研究に関しては、当初の計画を以下の２点に関して変更する予定である。１つは、昨年度実施できなかった海外(中国)と国内(青森県)での調査を、令和元年度以降に実施することである。特に前者に関しては新たな協力者を得て、その助言を受けながら進めて行く予定である。２つめは、昨年度研究を進める過程で新たに事例研究対象に加えるに至った茨城におけるニッチトップ型中小企業に関する調査・研究を継続することである。以上によって、平成30年度の遅れを取り戻すとともに、令和元年度以降に予定している聞き取り調査、現地や学会等での情報収集を逐次実施して、本研究を推進して行きたいと考えている。
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| Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由は、当初の研究計画で平成30年度に実施予定であった海外(中国)と国内(青森県)での聞き取り調査を実施できなかったこと、それに関連して海外調査で利用する予定であった携帯用ノートパソコンの購入を見合わせたことによる。令和元年度以降、当初の研究調査に加えて、これらの調査を計画し直し実施することによって繰り越し額を含めた研究費を使用する予定である。
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Research Products
(2 results)
