2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research on human resource retention management in the global competition for human resources
Project/Area Number |
18K01750
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
澤田 幹 金沢大学, 人間社会研究域, 客員研究員 (10215915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋場 俊展 名城大学, 経営学部, 教授 (10364275)
佐藤 飛鳥 東北工業大学, ライフデザイン学部, 准教授 (90513060)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リテンション・マネジメント / 人的資源管理 / 中小企業 / 治療と仕事の両立支援 / 地域活性化と地域ブランド |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍の影響により、初年度より計画していたアメリカにおける先進事例の実地調査等が困難となることが、前年度より予想されていたため、本年度は、文献収集とその整理による、さらなる理論的整理を行うとともに、あるべきリテンション・マネジメントの方向性について一定の見解を示すに至った。また、地域における中小企業でのリテンション施策の現状と問題点、およおび今後の可能性について、考察を深めることとした。 具体的には、澤田は過去2年間に研究してきた「がん罹患者の治療と仕事の両立支援」を企業におけるリテンション・マネジメントという視点から掘り下げ、とくに中小企業における先進事例を紹介することにより、人材が必ずしも豊富ではなく、その離退職が、大きな損失になりかねない企業における対策を人的資源管理全般の観点から考察した。 橋場は、日本における長期的人手不足問題という本研究の出発点に立ち返り、リテンション・マネジメントを単なる「人材獲得競争」と捉えるのではなく、企業・従業員双方の視点からこの問題を俯瞰し、企業外での人材育成機会の拡充と、個々の従業員の自立的キャリア形成、そして、リテンション・マネジメントを充実させた企業が「選ばれる雇用主」になる道への提言を行った。 佐藤は,震災後の人材流出に悩む宮城県における地域・産業の活性化という問題の中で、人的資源管理の重要性を見出した。すなわち、「地域ブランド」を高めるためにはそこで働く者のエンゲージメントを向上させることがが重要であり、そのためには適切な人材育成や目標管理、専門技能の「形式知化」など、様々な観点から人的資源管理を整備していく必要があると指摘した。このような方向性が、人材の確保・定着に結びつくマネジメントであることは言うまでもなく、今後は、中小・零細企業においてこそリテンションの考え方とその施策の実践が重視sれることを示したのである。
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Research Products
(4 results)