2021 Fiscal Year Research-status Report
A Study of Self-Expresion and Voluntary Branding
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18K01881
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
柴田 典子 横浜市立大学, 国際商学部, 准教授 (60347284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 聡 千葉商科大学, 商経学部, 講師 (10638191)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ブランド / 自己表現 / テキストマイニング / 消費者行動 / ブランドパーソナリティ / 自発的ブランディング / 質的データ / 自己 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、本研究において中心的な分析対象データの探索的分析に多くの時間を割いた。このデータは毎年学生から収集しており数年分ある。 主な測定項目は、その人にとってのブランド、その製品カテゴリー、ブランドパーソナリティ尺度を用いた当該ブランドに対する主観的評価(5件法)、20投法による自由解答形式で回答した当該ブランド利用時の自己イメージ、ビッグファイブ尺度による自己のパーソナリティの評価(5件法)などである。これらを用いて、当該ブランドを使っているときの自分、当該ブランドに対する主観的なイメージ、自身のパーソナリティの3者間にどのような関係が見出せるかを検証課題の1つとしている。 自由回答形式による定性データが分析用データの一部であるため、探索的に検証を行う必要がある。そこで、テキストデータのクレンジング(再検討も含む)、単語の出現頻度などの基礎的な準備に加え、数十パターンの共起ネットワークを作成し、ブランドパーソナリティや、自身のパーソナリティとの関連を持つだろうキーワードの抽出を主に行った。 その結果、例えば、当該ブランドに「洗練」というブランドパーソナリティを抱いている人(クラスター)は、ブランド利用時に「お洒落」という自己イメージを喚起しやすい傾向があるなど、ブランドパーソナリティと喚起する自己イメージをつなぐようなキーワードを幾つか発見した。 しかしながら、それらの発見にいたるまでの分析手順の妥当性、結果の頑健性、およびそれらの検証方法に対する考察は、まだ不十分であった。そのため、学会発表や論文化などの成果物の発表までには至らなかった。 現状は、このデータは数年分収集しているので、製品カテゴリーの絞り込み、年別データでの比較などの分析をさらに進め、ブランド論や自己論などの理論面の更新などを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
例えば定性データのコーディングのルールなど、分析を進めるにつれ再検討すべき問題が頻出し、想定よりも進捗が遅れてしまった。また、本研究で収集しているデータは、その人にとってのブランドを回答者に挙げてもらい、さまざまな項目について、定性的・定量的に測定している。製品カテゴリーもブランドも多岐にわたる。それも一因しているのか、信頼係数などの重要な統計量が想定していたよりも低くなることが多かった。その都度、原因の検証、異なる統計的手法の適用などで遅れが生じた。 また、コロナ禍による生活様式の変更・行動制限・勤務態勢の変化などの制約条件も、本研究に遅れが生じた要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
21年度の研究で明らかになりつつある、ブランドパーソナリティとの関係を示すかもしれない、ブランド利用時の自己イメージを示す用語(例えばお洒落)を、より明確に捉えることが、直近の課題である。 それらをより多く明らかにし、定量的な自己表現の測定尺度開発へ繋げていくことがその次の重要課題である。 また、理論面のレビューを再度行い、現在の研究の潮流に即した理論研究を行うことも重要課題である。 これらの課題を進めるにつれ、学会発表や論文化を積極的に行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で研究活動に制限がかかったことが原因の1つである。
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