2020 Fiscal Year Annual Research Report
Visioning-Driven Idea Development
Project/Area Number |
18K01882
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Research Institution | Tottori University of Environmental Studies |
Principal Investigator |
磯野 誠 公立鳥取環境大学, 経営学部, 教授 (50550050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 佳代 鹿児島大学, 法文教育学域臨床心理学系, 准教授 (90616468)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ビジョニング / バックキャスティング / 創造性 / 想像 / アイデア / 新製品開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的とは、ビジョニングによるアイデア開発において、ビジョニングを、創造的認知プロセスの応用として捉えた上で、アイデア創造性の実現に起因するものを、実験調査によって明らかにすることにあった。最終年度にあたる2020年度では、これまでに実施した一通りの先行研究レビューから調査計画設定、調査実施と考察の内容を、論文の形にまとめた。本研究から得られた知見とは次の通りである。 ビジョニングによるアイデア開発において、アイデア創造性実現に直接的に起因するのは,製品想像時に,開発対象分野から意味的に遠い関係にあるビジョンを用いたときであり得る。さらにその開発対象分野から遠い関係にあるビジョンの特定に起因するのは,①開発対象分野から遠い関係にあるものをヒントとしてビジョンを想像したとき,②具体的にビジョンを想像したときであり得る。 これまでの研究においては、ビジョニングの効果に起因するものとして、ビジョンが開発目標を示し、組織成員を引きつけるものであり、明確で具体的であることが示されてきた。本研究は、ビジョニングを、創造的認知プロセスの応用として捉えたことで、これまでの研究に加え、上述のような知見を加えたことに意義があると考える。本知見をもとにすれば,アイデア創造性実現を意図するビジョニングの際には,できるだけ開発対象分野から遠いものをヒントとしてビジョンを想像すること,あるいはできるだけ具体的にビジョンを想像することが推奨される。 本研究をまとめた論文原稿は、2020年末に日本デザイン学会誌に投稿し、2021年5月現在、審査を受けている段階である。また本研究から得られた知見の一部を、日本感性工学会、および公立鳥取環境大学主催社会人講座にて報告した。
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