2023 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical research on Commerce Associe (cooperative commerce) in France
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18K01900
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
佐々木 保幸 関西大学, 経済学部, 教授 (20268288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 道雄 大阪学院大学, 商学部, 教授 (10248263)
鳥羽 達郎 富山大学, 学術研究部社会科学系, 教授 (40411467)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | コメルス・アソシエ / コロナ・パンデミック / 社会的連帯経済 / ネット通販の成長 / 反アマゾン法 / ボランタリーチェーン / E.ルクレール / 商業労働 |
Outline of Annual Research Achievements |
概して、コメルス・アソシエに該当する企業は地域経済との関係を色濃く有している。そこで、2023年度は日本のローカル・コンビニエンスストアチェーンを対象に研究を進めた。具体的には北海道を地盤とするコンビニエンスストアチェーンと和歌山県に本社を置く農産物直売所チェーンを取り上げ、現地調査にもとづく研究を行った。当該企業は地域で協同の仕組みも構築しており、かつボランタリーチェーンに近い特徴も有している。それゆえ、今年度の研究はコメルス・アソシエ研究の深化、そして小売業態研究に貢献できたと思料する。その成果は流通の専門学会で研究報告として発表した。 また、商業労働の本質や現状をテーマに研究論文をまとめた。コメルス・アソシエ企業では、労働者参加型の商業労働のあり方が特徴的である。本研究は商業労働研究自体を深化させるとともに、コメルス・アソシエにおける商業労働の特質を浮かび上がらせる位置にもある。 研究期間全体を通じて、コメルス・アソシエというフランス独自の小売業態の生成と発展について研究を進めることができた。本研究によって、資本主義における小売業態発展の一形態について明らかにできたと思料する。そこでは、営利企業と協同組合との「ハイブリッド」形式の存在について、現代資本主義における位置づけができた。また、COVID-19感染拡大、コロナ・パンデミックという事態によって、研究の進捗に影響を受けたが、フランス流通において、コメルス・アソシエの持続性や「レジリエンス」を認識することができた。この点は、経済成長と小売業の発展の関連という側面のみならず、パンデミックのような経済の外的攪乱状態と小売業の存立という研究課題を早期させることにもなった。
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