2018 Fiscal Year Research-status Report
Scalability of Management Control System: Aimed at Assistance in the corporate and regional
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18K01917
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
望月 信幸 熊本県立大学, 総合管理学部, 准教授 (60508787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 晃史 熊本学園大学, 専門職大学院会計専門職研究科, 准教授 (20612930)
工藤 栄一郎 西南学院大学, 商学部, 教授 (30225156)
木村 眞実 東京都市大学, 環境学部, 准教授 (80516865)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | BCP / CCP / MCS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,BCPを包含したMCS(Management Control Systems)概念を構築するとともに,その概念を用いて企業と地域コミュニティの共助に資するCCP(Community Continuity Planning)という新たな理論を構築することを目指して研究を進めている。そのため,①平常時における業務の効率性を追求したMCSの概念にBCPを組み込むこと,②地域コミュニティにおけるCCPの策定度合いを調査するとともに,その策定と運用に必要な要素を明らかにすること,③BCPとCCPに関する海外での実態調査を行い,海外移転の可能性を模索すること,④BCPとCCPの制度的および歴史的背景と今後の展望について検討すること,⑤BCPにCCPをどのように組み込むのかを検討すること,という5つの課題を想定して研究を進めている。 ①MCSへのBCPの概念の組み込みは,平常時と緊急時という点で活用場面は異なるものの,それぞれが相反する概念ではないことから,全体としてはMCSにBCPを組み込むことは可能であると考えている。ただし,さらに研究を進める中で細部を検討する必要がある。②地域コミュニティにおけるCCPの調査については,その前提としてCCPの概念を整理することを行っている。その後,整理された概念をもとに調査を進めていく予定である。③BCPとCCPの海外における実態調査については,現在進行中である。文化の違いなどもあることから,慎重に調査を進めている。④BCPとCCP背景と今後の展望については,地域性も考慮に入れた検討を現在進めているところである。⑤BCPへのCCPの組み込みについては,BCPおよびCCPの調査が進んだ後に検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①MCSの概念にBCPの概念を組み込むことに関しては,まず主に従来のMCS概念を整理しつつ,BCPの概念をMCSの中に組み込むことの可能性を検討してきた。従来のMCSでは,利益獲得などの組織としての目的を実現するために組織の従業員に対してモチベーションを与え,あるいは組織としての目標を実現するような行動をするようなインセンティブを与えることでこれを実現してきた。BCPの概念は,企業が事業を継続できなければ組織としての目的を実現することができないという点でMCSに組み込みやすい概念であり,それを従業員が主導となって取り組むことによって,高いインセンティブを持続することができることがわかっている。その一方で,企業においてBCPがどの程度認知されているのか,またBCPに取り組む,あるいは取り組む予定となっている企業の存在がどれだけあるのかを把握するべく,企業のBCPの導入に向けた取り組みの調査を進めてきた。 ③BCPとCCPに関する海外での実態調査については,海外におけるBCPまたはそれと同様の取り組みの存在について調査するとともに,海外における取り組みや文化的背景を考慮しながらBCPの概念が導入可能かどうかの検討を行うための準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,これまでに整理されたMCSとBCPの概念をもとに新たなMCSの概念構築を試みるとともに,CCPへの拡大を図る必要がある。そのために,まずはCCPに関する概念を整理し,実際の地域におけるCCP策定の進捗度およびその内容について検討し,核となる要素が何かを把握する予定である。その上で,BCPとCCPの結合点ならびにその運用についての検討を行うことを考えている。 また,海外におけるBCPおよびCCP,またはそれに変わる考え方についてさらに調査を進めながら,BCPやCCPの海外移転の可能性を慎重に検討する予定である。そのさい,海外の文化や地域性などによりそのままでは移転できない可能性が高いことから,BCPやCCPの核となる領域とアレンジが必要となる領域について考察することが必要だと考えている。その上で,海外への移転可能性について検討を行う。
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Causes of Carryover |
次年度において,BCPおよびCCPに関する海外での実態調査ならびに地域におけるCCPの実態調査,企業におけるBCPのMCSへの導入に関する調査を遂行するにあたり,出張旅費が必要となる。具体的にはタイ,イタリア,ニュージーランド,台湾など,自然災害が多くBCPやCCPが必要となる,あるいはすでに類似概念が存在している可能性のある地域への出張に関わる旅費として使用することを計画している。また,収拾した情報は膨大になることが予想されるため,整理するためのアルバイトを雇用することから,人件費を計上している。同時に,文献などにもとづいた理論構築も引き続き行うことから,資料その他の物品費を計上している。
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Research Products
(6 results)