2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K01940
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
伊藤 和憲 専修大学, 商学部, 教授 (40176326)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | インタンジブルズ / BSC / ケーススタディ / 戦略 / 戦略マップ / スコアカード / レポーティング / IIRC |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,3つの計画を設定した。第1は,インタンジブルズ・マネジメントのケーススタディである。第2は,インタンジブルズと企業価値の関係性の実証研究である。第3は,インタンジブルズのレポーティングとして,統合報告の研究である。 本年度(2018度)の成果報告を行う。第1の研究に関して,アクションリサーチを行うためにFayetteville University のMohsen Souissi教授から指導を受けた。その成果として,Souissi教授との共同論文をFayetteville University発行の雑誌に掲載した。また,平成31年度に行う予定であった非営利組織でのインタンジブルズのマネジメント研究を前倒しで開始した。現在,アクションリサーチの途中であるが,これまでの成果を非営利組織のうち医療機関へのBSC(バランスト・スコアカトード)導入については学会誌に掲載した。また,ラオスへの簿記支援プロジェクトをBSCの戦略マップでアクターネットワークを整理して,スコアカードで進捗管理を行うという研究成果を学内の紀要に掲載した。 第2の研究はすでにアンケート調査を行い,分析を進めている。スケジュールより少し遅れているが,現在,論文にまとめており,2019年度中に論文にまとめて,学会報告する予定である。2019年度の8月に専修大学で管理会計学会を開催するので,そこでの発表を予定している。インタンジブルズが企業価値に影響を及ぼすが,これに戦略とマネジメント・コントロールも影響を及ぼすという仮説を検証する。さらに,両利きの経営についても仮説検証する。 第3の研究は,レポーティングとして統合報告を研究している。翻訳書を刊行するとともに,2本の論文にまとめた。1本は海外のジャーナルに掲載した。もう1本は翻訳書と国際統合報告評議会(IIRC)の関係について検討し学内の紀要に掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画では,第1年度はアクションリサーチの経験を積むことだけだったが,実際にアクションリサーチを実践して,論文を2本書くことができた。このことは,計画の前倒しであり,計画以上に進んでいると評価できる。 ただし,インタンジブルズと企業価値の関係性については,アンケート調査はしているものの,なかなか仮説検証できずにいる。そのため,時間がかかってしまったが,2019年度の学会報告には間に合うので,ほぼ計画通りである。 一方,レポーティングについては,翻訳書を刊行できたことが大きな成果である。同時並行で進めていた海外ジャーナルへの掲載も無事できたことは,大きな自信につながった。さらに,翻訳書と国際統合報告評議会の関係について整理して,新たな提案ができたことは計画通りである。 以上より,3つの研究計画ごとに進捗度を評価する。第1に,インタンジブルズのマネジメントは計画以上に進展している。第2に,インタンジブルズと企業価値の関係性については,分析に時間がかかっているが,ほぼ計画通りである。2019年度の報告して学会誌に掲載できれば計画通りである。第3のレポーティングについては,2018年度に海外のジャーナルに掲載することまでは計画していなかった。これが前倒しでできた点は,計画が進展しているといえよう。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画より進展しているが,とりわけインタンジブルズのマネジメントとレポーティングは計画を前倒しで進めることができている。前者のインタンジブルズのマネジメントについては,アクションリサーチを現状のまま進めていくことで,研究を維持することができる。 後者のレポーティングについては,統合報告と価値創造についての文献レビューを検討している。統合報告はまだ研究が始まって歴史が浅いため,研究がほとんど進んでいなかった。IIRCがフレームワークを提唱して6年目になり,そろそろ文献も増えてきていると思われる。研究計画にはなかったが,文献レビューを行いメタ分析を行うことで,この分野の研究を整理しておく必要がある。また,現在の研究が終わったら,この延長線上に著書にまとめるという計画をもっている。この著書計画を前倒しで進めることが,この分野の今後の計画である。 インタンジブルズと企業価値の関係性については,文献レビューが終わっているので,実証研究を継続しながら新たな研究テーマを模索する。 研究の推進方策としては,すべて計画通りうまくいっているので,これを現状通り進めていって,学会報告と著書の作成に向けて努力することである。
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Causes of Carryover |
特に次年度使用額が生じた理由はないが,結果として1,946円の残金が発生してしまった。海外の書籍を注文していたが,届かなかったことが原因の一つである。ほぼ使い切っているので,たまたま残金が発生したというのが正しい。
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Remarks |
今回は,メールを交換しながらの論文だったので,ミーティングは開催したが,webには掲載しなかった。
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Research Products
(11 results)