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2019 Fiscal Year Research-status Report

インタンジブルズと企業価値に関する研究

Research Project

Project/Area Number 18K01940
Research InstitutionSenshu University

Principal Investigator

伊藤 和憲  専修大学, 商学部, 教授 (40176326)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords統合報告 / 戦略的管理会計 / 意思決定 / BSC / アクションリサーチ / 中小企業 / 導入研究
Outline of Annual Research Achievements

「インタンジブルズと企業価値」に関する研究の中,今年度は,①統合報告書に関係する研究,②中小企業のBSC導入のアクションリサーチ,③病院へのBSC導入に関する研究を行った。
統合報告に関する研究では,統合報告評議会(IIRC)のフレームワークとSmith氏が提唱する戦略的管理会計との関係を検討した。ここでの戦略的管理会計とは,サステナビリティ・イニシアティブの選択のことである。その意思決定が資本とサステナビリティ・インデックスに影響を及ぼすので,インデックスを最適にする戦略的意思決定をすべきだと提案した。これとIIRCとの関係を明らかにした。
中小企業のBSC導入のアクションリサーチでは,実際にBSCを導入について研究した。中小企業へのBSC度入は欧米だけでなく,日本でもその事例は多くはない。その原因はいろいろあるが,最も重要なことは導入コスト以上にその便益が上回らないためである。しかし,BSCに対する誤解も多く,適切に導入を支援できれば中小企業でもBSCを導入可能ではないかと考えて,アクションリサーチを行った。三共製氷冷蔵へのBSC導入によって,①戦略の質の向上,②戦略の浸透,③戦略実行力の向上,④トップの戦略策定能力の向上,⑤非財務業績の把握,⑥財務業績の向上,⑦他部門とのコミュニケーションの向上などが得られた。成果が得られたのは,①トップのコミットメント,②業務レベルでのデータ管理の実施,③現場への戦略新党を実施,という3つがうまくいったためである。
病院へのBSC導入に関する研究では,マネジメントの視点が遅れている療養型病院を対象にしたBSCの導入研究である。リサーチサイトのベトレヘムの園病院でのBSC導入目的,事業計画とBSCの関係,現状のBSCの課題を明らかにした。最後に,その対応策を提案して,今後のアクションプランの目指すべき姿を明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度は企業価値の創造に関する研究を計画した。実証研究して学会報告したが,必ずしもモデルの適合度が高くなかったために,論文の投稿をしなかった。しかしこれは次年度の計画の前倒しの部分であり,計画が遅れたわけではない。最終年度である今年は投稿を予定している。
インタンジブルズのマネジメントとレポーティングは計画を前倒しで進めることができた。前者のインタンジブルズのマネジメントについては,アクションリサーチにより,中小企業と病院でのBSCの導入研究を行うことができた。
後者のレポーティングについては,統合報告の文献研究と,戦略的管理会計の関係を研究を行った。文献研究については,価値創造の重要性と,管理会計によるアプローチの研究が少ないことを明らかにした。また,戦略的管理会計との関係では,IIRCが狙う投資家のための統合報告書の作成と,経営者の意思決定にとって有用な情報利用について研究した。
これ以外にも,インターナショナルジャーナルへの投稿を行った。次年度の4月にオンラインジャーナルに掲載することができた。
2名の研究者を海外から招聘して講演会を開催し,本研究課題の支援を計画した。その結果,米国から1名の招聘はうまくいった。アクションリサーチの講演をしてもらっい,アクションリサーチ研究に有益だった。もう1名をオランダから招聘しようとしたが,今回の新型コロナウィルスの問題が発生して,実現できなかった。次年度も招聘は期待できそうにない。この点は計画倒れではある。そのため,研究計画としては従長であるが,予算が余ってしまった。

Strategy for Future Research Activity

残された研究は,インタンジブルズによる企業価値への影響を実証研究することである。すでに投稿するだけとなっているので,本研究課題の遂行には全く問題がない。
また,BSCのアクションリサーチを進めて,ほとんど研究されてこなかった戦略的実施項目のカスケードについて研究を行った。これを論文にまとめる。
さらに残された時間で,次の研究課題に足がかりをつけていこうと考えている。次の研究は,本研究課題を遂行中に書きためてきた統合報告に関する研究の展開である。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じたのは,オランダの研究者の招聘を計画していたが,新型コロナウィルスのために日本に来ることができなかったためである。次年度もこの影響で招聘は難しいので,計画自体を見直すことにする。
使用計画としては,統合報告関係の論文を収集して,これのデータベースを構築する。そのためのアルバイトへの業務委託に使用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2020 2019

All Journal Article (2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] IIRCフレームワークと戦略的管理会計の両立2019

    • Author(s)
      伊藤和憲
    • Journal Title

      ディスクロージャー&IR

      Volume: 9 Pages: 174-185

  • [Journal Article] 統合報告における価値創造の文献サーベイ2019

    • Author(s)
      伊藤和憲
    • Journal Title

      會計

      Volume: 196/2 Pages: 202-215

  • [Book] 営利組織と非営利組織のマネジメント2020

    • Author(s)
      高橋淑郎,伊藤和憲他
    • Total Pages
      202
    • Publisher
      中央経済社

URL: 

Published: 2021-01-27  

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