2021 Fiscal Year Annual Research Report
Management Control Package for Entrepreneurship and Innovation
| Project/Area Number |
18K01948
|
|---|
| Research Institution | Nanzan University |
|---|
Principal Investigator |
窪田 祐一 南山大学, 経営学部, 教授 (40329595)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三矢 裕 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (00296419)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
| Keywords | マネジメントコントロール / 創造性 / イノベーション / 企業家的ギャップ / エフェクチュエーション / Levers of Control |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、マネジメントコントロールの組み合わせ（ＭＣＰ、Management Control Packages）が、イノベーションの実現を可能にするのかを解明することにあった。この目的のもとで、これまで2017年に実施した郵送質問票調査のデータを中心にして分析を進めてきた。まずは、Levers of Controlを用いたＭＣＰを明らかにし、その後、信条、境界、診断的コントロール、インターラクティブコントロールのすべてを重視するＭＣＰパターンを利用することで、探索と活用の双方を目指す両利きのイノベーション戦略が企業業績につながることを明らかにした。
このように昨年度までの段階で、概ね当初の研究目的にそった成果が得られた。さらに研究を進めるなか、新たな課題が明らかになった。それは、事業のボラティリティの高まりの中、イノベーションの実現に向けて精緻に計画をしても、立案時の前提条件が実施の段階で変化してしまっているという問題への対処である。そこで研究期間を延長して、今年度は、企業家精神の部分に焦点をあて、個人レベルでの両利きの経営について検討した。企業家精神は、コントロールできる経営資源を超えて機会を追求しようとするプロセスであり、コーゼーションを軸にした経営からは逸れることになる。この柔軟な対処を可能とする企業家精神は、新たなイノベーションの創出にとっても関連があると考えた。そこで、企業家精神とＭＣＰの関係を探り、イノベーションを促進する管理会計システムを明らかにするべくウエブ調査を企画した。管理会計研究の領域で、ウエブ調査を利用した先行研究は少ないため、慎重に調査のメリット・デメリットの整理を行い、スクリーニング調査後に本調査を実施した。加えて、この議論では、個人に対する動機付けについても検討が必要となるため、目標設定に関わる文献レビューを行った。
|
