2023 Fiscal Year Annual Research Report
Examining the connection between employment/labour market policies and social security systems
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18K01971
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
廣瀬 真理子 大阪公立大学, 大学院経済学研究科, 客員研究員 (50289948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下平 好博 明星大学, 人文学部, 教授 (40235685)
小渕 高志 東北文化学園大学, 現代社会学部, 准教授 (10405938)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 福祉国家 / 社会保障制度 / 生活保護制度 / 社会保険 / セーフティネット / ナショナルミニマム / 非正規 / 母子世帯 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の当初の計画では、テーマに沿って文献研究を進めた後、ベルギーとオランダで現地調査を行い、理論研究と実証研究の両面から雇用・労働市場政策と社会保障制度の接点に関する分析を深めて、国際比較の視点から日本の社会保障制度改革の方向性について検討する予定であった。 しかし、新型コロナウイルス感染症の蔓延や、その後のウクライナ戦争の影響などもあり、欧州への渡航が困難な時期が続き、けっきょく現地調査が実施できないまま最終年度を迎えることになった。そこで現地調査は今後の機会に実施することにして、本年度は、この間に国内で継続してきた文献研究を土台にして論点整理を行い、本研究の成果を報告書にまとめる方針に切り替えることにした。 まず、これまでの議論をふまえて、次の3つの軸に絞った論点整理が行われた。すなわち、(1)社会保障制度における公的責任(社会保障制度のターゲットとなるナショナルミニマム水準の捉え方など)、(2)今後の社会保障給付の設計方法(個人単位または世帯単位の給付のあり方や職歴による給付の差など)、(3)世代間格差(世代ごとに異なる労働市場からの影響や非正規労働者の増加によるミドルクラスの衰退など)である。 以上の論点整理を参考にして、次にメンバー各自が本研究から得た知見をそれぞれまとめて成果報告書に発表した。タイトルは、「福祉改革と福祉資本主義の諸類型―福祉改革の方向を決めるものは何か?」、「地域単位の社会保険を利用したソーシャルセーフティネットの再構築」、「欧州の『稼働貧困』とセーフティネット―オランダの母子世帯への支援策に焦点を当てて」、「日本におけるナショナルミニマムとは何か?―コロナ禍における雇用と労働から考える―」である。 本研究は今後も継続していく予定であり、次回はぜひ実証研究を加えて国際比較の視点をより明確にしていきたいと考えている。
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Research Products
(1 results)