2019 Fiscal Year Research-status Report
A conversation analysis of employment support activities for young people
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18K01992
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩田 夏穂 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任准教授 (70536656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒嶋 智美 玉川大学, ELFセンター, 助教 (50714002)
須永 将史 立教大学, 社会学部, 助教 (90783457)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 若者就労支援 / 作業場面における協働 / 会話分析 / 相互行為分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、データ収集の継続と文字化、学会等での成果発表を中心に行った。 1.収録と文字化:2019年4月~2020年2月に,月に約1回の割合で計8回、協力先のNPO団体にメンバー2名が赴き、ビデオ撮影と音声録音を行った。(1)屋内の内職作業①ワイヤーハーネス組み立て(端子に3種類のコードを挿す)②広報用パンフレットの袋詰め作業(ビニール袋に規定の冊数の冊子を入れ、段ボールに詰める)(2)清掃作業①屋内(コ・ワークスペース)②屋外(アパート)(3)庭の手入れ(地域住民の依頼者の自宅で草むしり)。作業には、利用者、ボランティア、スタッフが参加。人数は内職が10~18名前後、清掃は5,6名。いずれもスタッフ、熟練の利用者が指示し、利用者およびボランティアがそれに従って作業をする。毎回の収録は、1名が撮影を担当し、1名が作業に参加した。8回の収録時間合計は25時間程度である。文字化は、約400分程度終了。 2.成果発表:前年度にメンバー間で検討した現象の分析を深め、その結果を発表した。(1)日本社会学会(2019年10月)で①「作業フローにおける「製品の身分」の可視化」(三部)②「掃除の仕方を教えること/学ぶこと」(須永)③「ことばを介さないニーズの提示と援助の提供」(黒嶋)を各自口頭発表 (2)社会言語科学会(2020年3月)で④「職業訓練活動での雑談における支援者の立場表明」(岩田)を口頭発表する予定だったが開催中止(論文集原稿提出で発表したものと承認)。 3.協力先のNPO団体とのラポール形成:(1)作業収録での支援者、利用者との会話、団体主催の親睦イベント(7月)とセミナー(2月)への参加を通してさらなる信頼関係構築に努めた。(2)上記の学会発表の内容をまとめた報告書を団体に提出し、2月に事務所で報告会を実施し、フィードバックと今後の活動と方向性についての意見をいただいた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・多様な作業場面の収録が継続でき、若者就労支援のOJTにおける相互行為を多角的に分析できつつある。 ・これまでの分析の成果を学会発表で発信できた。 ・分析結果を協力先への報告書の提出と報告会開催によって確認していただき、好意的な反応を得ることができた。 ・協力先のNPO団体と、非常に良好な関係が継続できており、関係者から有益な情報や分析の観点を得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、データ収集を控え、分析と成果発表を中心に行う。 1.文字化および分析:データの文字化を終了し、各メンバーの関心に基づいて分析を進める。データセッションを随時行い、進捗報告と結果を検討することで、より分析を深める 2.成果発表 (1)論文投稿:日本社会学会(10月)および社会言語科学会(3月)で口頭発表した内容を論文にまとめ、投稿する。投稿先は、社会言語科学会『社会言語科学』(黒嶋・岩田)、福祉社会学会『福祉社会学研究』(須永)、社会学研究会『ソシオロジ』(三部)を予定。(2)学会発表:新たな分析結果がまとめられれば、社会言語科学会、日本社会学会等で発表を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染防止のために予定していたいくつかの計画が実施できなかったことが主な理由である。まず、代表者と分担者が全員参加予定だった会言語科学会(京都)がに中止になり、その分の旅費及び宿泊費が執行できなかった。加えて3月の福島での収録を中止した。来年度は、出張が可能になれば、学会発表を継続して実施したい。また、学術雑誌への投稿に向けた文献購入、トランスクリプト作成の業者への支払いに使用する予定である。また、迅速な映像の分析が可能なパソコンの購入も検討している。
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Research Products
(4 results)