2020 Fiscal Year Research-status Report
A conversation analysis of employment support activities for young people
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18K01992
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
岩田 夏穂 武蔵野大学, グローバル学部, 教授 (70536656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒嶋 智美 玉川大学, ELFセンター, 助教 (50714002)
須永 将史 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (90783457)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 若者就労支援 / 作業場面における協働 / 会話分析 / 相互行為分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,若者の就労支援組織の活動における組織利用者と支援者の間の相互行為をビデオに収録し「会話分析」の手法による詳細な分析を通して、問題を抱える利用者が他者との相互行為にどのように参加しており、そこにどのような相互行為能力が見いだせるか、相互行為を通して,支援側の参加者は,どのように「支援」という行為を達成しているかに注目し,その方法を明らかにすることである。 プロジェクト3年目の2020年度は、昨年度学会で発表した内容の精緻化を中心に行い、投稿に向けて作業を進めた。まず、昨年、日本社会学会で発表した内容を論文にまとめて投稿し、採択された。これは、軽作業を行う就労支援団体の関係者と利用者が、相互行為を通して自分たちが共有する空間を編成する実践に注目するものである。分析結果として、作業の進行の過程で1)部品の状況(集計済みかどうか)が他の参加者に可視化され、それに伴い、2)参加者各自の作業の進行状況も可視化されることで、集計済みの束とそうでないものを区別できるように作業空間の境界が管理されること、さらに、この2つの実践によって作業が終わった参加者も集計に参加できる、つまり共同作業を可能にする仕掛けになっていることを示した。これらの観察を踏まえ、考察では、全員が一つのテーブルを囲んで行うこの作業形式が、利用者の相互行為上の能力を媒介する環境になっていることを指摘した。 このほか、2019年度に口頭発表を行った「掃除の仕方を教えること/学ぶこと」、「ことばを介さないニーズの提示と援助の提供」「職業訓練活動での雑談における支援者の立場表明」については、それぞれ投稿に向けて準備している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大の影響で、協力先への訪問の取りやめ等、計画を進めるための活動が大きく制限され、支援現場からの情報収集や意見交換ができなかったこと、代表者と分担者1名の勤務先の異動による業務の負担増などにより、やや計画に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画から1年延長し、最終年度となる2021年度は、成果発表とデータの分析に集中し、目標の達成を目指す。まずは、(1)現在、投稿準備中の論文を完成させ、投稿すること、(2)データを整理し、必要な文字化作業を終了させること、(3)チームメンバーとオンラインでのデータセッションを定期的に行い、さらなるデータの観察と取り上げるべきトピックの抽出を行うこと、以上を中心に活動を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大により、国内外の移動ができず、旅費として計上していた予算が執行できなかった。次年度中にこの状況が改善されれば、協力先への訪問と学会参加のための旅費に充てる。また、英文論文のネイティブチェックおよびデータの文字化のための謝金、データ分析用の機器の購入等に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)