2020 Fiscal Year Annual Research Report
The Theoretical and Empirical Research on the Social Theory of A. Schutz and its Influences for the Following Social Scientific Activities with Reference to the Alfred Schutz Archive
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18K02048
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
那須 壽 早稲田大学, 文学学術院, 名誉教授 (40126438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
草柳 千早 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (40245361)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アルフレッド・シュッツ / ジョージ・サーサス / 現象学的社会学 / エスノメソドロジー / 社会科学方法論 / 知の社会学 / レリヴァンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、早稲田大学文学部社会学研究室に設置されている「アルフレッド・シュッツ文庫」の資料・設備を利用して、第一にシュッツ理論を内在的に検討し、第二にシュッツ理論をめぐる研究状況の調査に取り組むことを目的とする。本年度は、主に第二の目的の達成に注力し、シュッツ理論に関する二次資料の情報の収集、分析を行うとともに、現象学的社会学の今日の学的状況に多大な影響を与えたボストン大学名誉教授のG.サーサスが所蔵していた資料の整理、検討を行った。 二次資料の情報の収集・整理はこれまでも行ってきたが、本年度はより精緻で網羅的なリストの作成に取り組んだ。その結果、これまで半世紀以上にわたり行われてきたシュッツ理論をめぐる研究の様相が明らかとなった。関連文献数の推移を確認したところ、日本国内については、1980年代前半までの増加傾向、1980年代から2000年代前半までの横ばい傾向、2000年代から2010年代後半にかけての緩やかな減少傾向、2015年以降の再増加傾向というトレンドが見えてきた。また、国内外については、1980年代半ばまでの増加傾向、1980年代半ばから2000年代初頭までの減少および横ばい傾向、2003年から2007年までの急激な増加傾向、2008年から2017年までの減少傾向、2018年の急激な増加というトレンドが見えてきた。 サーサス教授が所蔵していた資料整理に際しては、利便性向上のため、また資料保存の観点から、彼自身の研究ノートや草稿、講義ノートが含まれているすべての資料を電子化した。加えて、彼の講義や学会報告を録音した音声データを修復し、デジタル化した。これらの資料から、彼の思索過程や彼が後学に伝えてきた・伝えようとしていたことを生き生きとした形でうかがい知ることができ、現象学的社会学の今日の研究状況に彼が与えた影響の大きさを知る有益な手掛かりを得ることができた。
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