2020 Fiscal Year Research-status Report
社会的ひきこもりや暴力等の不適応行動に対する家族支援プログラムの普及と効果検証
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18K02073
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Research Institution | Sapporo Gakuin University |
Principal Investigator |
山本 彩 札幌学院大学, 心理学部, 教授 (80758706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
境 泉洋 宮崎大学, 教育学部, 教授 (90399220)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | CRAFT / CRA / コミュニティ強化 / ACRAFT / 社会的ひきこもり / 家族支援 / 自閉スペクトラム症 / 発達障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
2010年厚生労働省班研究は、本人の受療拒否が多い物質依存分野で効果が実証されている家族支援プログラムCommunity Reinforcement and Family Training(以下、CRAFT)の社会的ひきこもりへの応用可能性を示唆した。一方で日本におけるCRAFTの普及は緩やかであり、研究が少ないのが実情だった。そこで本研究は以下を目的とした;気軽にCRAFTに触れられる機会をつくる(研究①)、CRAFT公認セラピスト養成システムをつくる(研究②)、各領域・各地域でCRAFTのネットワークを構築する(研究③)、CRAFTの臨床試験を行う(研究④)、CRAFTについての理論的精緻化や事例検討を行う(研究⑤)。 2020年度は以下を行った。研究①;2018年度、2019年度に引き続き国立障害者リハビリテーションセンター発達障害情報・支援センター主催研修会でCRAFTを紹介した(11月7日リアルタイム双方向zoomオンライン)。研究②;開発者と協力してオンラインスーパーバイズシステムを完成させた。また補助ツールとしてマニュアルの翻訳を行い出版会社に入稿した。2021年夏出版予定である。研究③;兵庫県主催事例検討会に参加し県内のネットワーク構築とCRAFT実施について助言を行った。これを全国に先駆けたモデルとし、各地で展開していく予定である。研究④;全国9人のCRAFT認定セラピスト候補者に協力依頼をし、2020年11月から1年間の予定で臨床試験をスタートさせた。研究⑤;近接領域の専門家との意見交換や研修会に参加し、2021年度に本格的な理論的精緻化や事例検討を行うための準備とした。具体的には11月14日に特定非営利活動法人神経発達症研究推進機構主催シンポジウムにて登壇し他専門家と意見交換を行った。3月26~29日PCITワークショップ(CDI)に参加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定通りのスピードで進んでいる。ただし、研究④臨床試験については、予定通り開始したものの新型コロナウィルス感染拡大予防の影響を大きく受けており、セッション実施の方法としてオンラインも含んでよいことにしたり、研究協力家族を当初見込み人数より少なくてもよいことにしたりなどの変更を余儀なくされている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は最終年度であるため4年間の研究の総まとめと振り返りを行う。研究①~③については、2020年度までの3年間で目標を達成することができた。2021年度は今後に向けて、A/CRA/FT ASIAのホームページをプラットホーム化し、情報発信を持続的に行う体制を強化する予定である。研究④については現在進行中の研究の結果を2021年度中にまとめ振り返りを行い、以降のよりエビデンスレベルの高い臨床試験を計画するための土台とする予定である。研究⑤については、全国規模の事例検討会とシンポジウムを2021年度中に企画し、4年間の研究の振り返りと理論的精緻化を行い、今後に向けた課題を整理する予定である。
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Causes of Carryover |
研究④の臨床試験において、介入の質の担保のためにスーパーバイズ料金を見込んでいたが、新型コロナウィルス感染拡大予防の影響のため、研究協力家族がなかなか集まらず、そのためスーパーバイズの機会が当初見込みの回数ほど発生しなかった。主にその分の経費が残っている状態である。 2021年度にはオンラインでのスーパーバイズを複数回企画しており、また全国規模の事例検討会もオンラインで開催する予定であるため、「次年度使用額」を全て使用する予定である。
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Research Products
(6 results)