2019 Fiscal Year Research-status Report
デジタルファブリケーションを活用した地域連携・協同型支援機器提供システムの開発
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18K02084
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
渡辺 崇史 日本福祉大学, 健康科学部, 教授 (30410765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
手嶋 教之 立命館大学, 理工学部, 教授 (30288625)
巖淵 守 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80335710)
上田 喜敏 森ノ宮医療大学, 保健医療学研究科, 教授 (80454677)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 支援技術サービス / アシスティブテクノロジー / デジタルファブリケーション / クラウド型データベース / 地域支援 / 相談システム |
Outline of Annual Research Achievements |
【テーマ1】再設計・再編集が可能なコラボレーション型支援機器データベースの機能試作:昨年度の研究にて開発したクラウド型データベースを利用した支援機器データベース(Support System for Assistive Technology(SS-AT))に,投稿機能を実装した.本機能には専門家から助言,支援機器利用者からのフィードバックや要望する支援機器のアイデア等を投稿できる仕組みである.また投稿できるデータ形式はテキストのみならず,画像や動画も可能とした.以下に述べるデジタルものづくり講習会参加者に対して,書き込み機能を実装したSS-ATを試行的に運用したところ,有用な機能であるとの評価を得た. 【テーマ2】デジタルものづくりができる人材を養成するための研修プログラムの開発:昨年度,試行的に実施したデジタルものづくり講習会を元にして研修プログラムを開発した.研修プログラムには「デジタルものづくり技術」「障害に関する知識の理解」「支援機器適合に関する知識と技術」「支援経験と利用者視点の共有・理解」の4カテゴリーを設定し,具体的な研修コンテンツを示した. 【テーマ3】デジタルファブリケーション活用による地域での支援サービス有用性の検証:本年度においては,【テーマ1,2】の研究成果を基にして,自助具ボランティアが多く活動する関西地区と障害者ITサポートセンターにて広域の支援機器支援を行っている沖繩地区にて,その地域性に応じた研修コンテンツを開発し,講習会を実施した.その結果,今後の各地域とのコラボレーションによる広域型支援技術サービスの展開への基礎作りをすることができた. 以上のような実践的研究を通して,国内学会1件,国際学会2件に研究成果を発表することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
クラウド型支援機器データベース(SS-AT)への投稿機能の実装については,目標とした最低限の機能実装ができたと考える.デジタルものづくり講習会については,関西地区と沖繩地区の2ヶ所で実施できた.関西地区での講習会開催場所は,研究分担者の所属する大学で3Dプリンター等が比較的自由に利用できる設備があること,またその近くに福祉用具相談に応じている公的専門機関があり,地域の自助具ボランティアグループとのネットワークもできていることから,当該地域にて活動が展開されることが期待できる.また,沖繩地区では,障害者ITサポートセンターと共同で開催し,開催後には3Dプリンターを当センターに設置したことから,今後のコラボレーションによる広域型支援技術サービスの試行的実践に向けた関係作りをすることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,クラウド型支援機器データベース(SS-AT)の機能拡張とアクセシビリティの充実を目指す.特に3年目においては,データベースデジタルファブリケーション活用による地域での支援サービス有用性の検証を中心に研究を進める予定である.具体的には,以下の2つの方法によるデジタルファブリケーションを活用した支援サービス活動を試行し,地域でのあらたな支援サービスの構築とその有用性を明らかにする予定である.方法1は支援者養成プログラム修了者によって組織する活動グループまたは,既にデジタルファブリケーション環境が整っている地域団体や特別支援学校等による,特定地域型支援サービスを数十事例に対処する.方法2は,地理的に離れた各種活動団体や専門家とのコラボレーションによる広域型支援サービスを数事例に対処し,この2つの方法を実証的に比較研究する予定である. しかしながら,当研究は障害のある支援機器の利用者の地域に出かけたり,さまざまな支援者と協同して取り組む実践研究であることから,現在のCOVID-19対策による状況下では,想定している支援サービスの展開や実践的な研究をすすめるのは困難である考える.そこで,実施時期や実施方法を再検討するとともに,場合によっては研究達成目標の再設定も検討する予定である.
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Causes of Carryover |
当初予定していた当該研究に関わる出張費を次年度に繰り越すことにした.加えて,データベース(SS-AT)の機能拡張とアクセシビリティの充実のための開発委託費に充てる計画をしている.
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Remarks |
本研究で開発しているクラウド型支援機器データベース(SS-AT)
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Research Products
(4 results)