2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of the care skills corresponded to each behavioral and psychological symptom of dementia
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18K02108
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
大島 憲子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (90406348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米津 亮 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (50363859)
池田 学 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60284395)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 行動・心理症状(BPSD) / 症候対応型認知症ケア技術 / 介入研究 / 人材育成 / 介護施設等 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症の人(以下、認知症者)のケアは、意思疎通の難しさだけではなく徘徊などに対する適切なケア技術の実践に制約がある中で、介護者の経験に基づくケアが実践されやすく、その知識・実践を共有することが困難となっていることが多い。一方、介護労働安定センターの調査(2015)では、介護現場における正 規・非正規介護職員では全体で73.9%の離職率となり その人材育成も進まない現状がある。 本研究は、介護施設等で介護職が直面し、その対応で困惑し疲弊することの多い行動・心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia:以下、BPSD)が表れている認知症者に対し、介護職のケアに対する不安と負担の軽減のために、科学的根拠(以下、エビデンス)に基づくBPSDに対する症候対応型認知症ケア技術(以下、症候対応型ケア)を開発することを目的とした介入研究である。 本研究計画は、3年間の予定であったが、新型コロナウイルス感染症感染拡大で研究が遅れ2021年度まで1年間の研究期間延長を行った。 2018年度~2019年度に、国内外の先行研究レビューを行なった結果をまとめ現在投稿準備中である。次に介護職が対応困難と感じるBPSDの症候に関するアンケート調査(500介護施設〔特別養護老人ホーム、介護老人保健施設等〕の介護職の責任者に対し各施設においてBPSDの症状の中で、介護現場で対応困難とされる症状等の頻度に関する内容)を実施予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴いアンケート調査は2021年度に実施予定である。インタビューに関しては、オンラインでの実施計画に変更する。インタビュー調査における研究デザインは、現象学的視点に基づく質的帰納的研究で、分析はColaizziの分析方法にて実施する。 2021年度中に調査結果等を投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本科研費採択後まもなく大病の診断を受け、療養期間が必要となった。その期間の長さから当初予定の計画が遅れ、2018年度~2019年度に先行研究レビューの分析・まとめ等を行う結果となった。現在、それらは終了し学術誌に投稿準備中である。また、2019年度に予備調査と本調査前の介護現場の状況確認のために情報把握として介護施設へヒアリングを実施予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、実施に大幅な遅れが生じている。施設によっては、出入り等の制限が厳しいことも重なり、更なる延期の可能性も生じている現状である。対象となる施設の見直しおよび調整後に、2021年度中に完了したいと考えている。 個人情報保護の観点から調査専用のパソコンおよび周辺機器の購入において、新型コロナウイルス感染拡大による生産等がストップしたため、2021年度に持ち越して調査の分析環境を整える予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度における研究予定は、1)介護施設等介護職員へのヒアリング(オンラインにてヒアリング予定)を7月までに完了する、2)本調査実施およびアンケート調査実施と結果の分析する。3)受け入れ可能な介護施設(3介護施設)への介入研究開始を8月までに実施する。4)アンケート結果:統計ソフトを活用し多変量解析にて分析予定である。 この結果は、学術誌への投稿にて発表を予定しており、2021年度中に3学術誌に投稿予定である。
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Causes of Carryover |
本研究計画は、3年間の予定であったが、新型コロナウイルス感染症感染拡大で研究が遅れ2021年度まで1年間の研究期間延長を申請し受理された。 新型コロナウイルス感染症拡大に伴いアンケート調査は、当初より1年半遅れとなり2021年度に実施予定である。施設へのヒアリング、介護職員へのインタビューに関しては、オンラインで実施することに計画を変更している。 介護施設等500施設へのアンケート調査、該当施設へのヒアリング、介護職員へのインタビュー等、調査に関する費用等が繰り越されたため次年度使用額が生じたが、使用額については、当初の研究計画通り使用予定である。
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