2019 Fiscal Year Research-status Report
教材開発を目指した高齢者介護施設における新人介護人材育成のプロセスの実態調査
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18K02118
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
大場 美和子 昭和女子大学, 文学研究科, 准教授 (50454872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 輝美 新潟医療福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (90517153)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 介護 / 介護技術 / 会話データ分析 / 外国人介護人材 / ミャンマー / 就労場面の調査 / インタビュー調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、介護未経験の新人介護職員に着目し、介護の就労場面において、研修担当者がどのように介護技術を教えていくのか、そこでどのようなやりとりが行われ、どのような特徴や問題が観察されるのか、就労場面の会話データから客観的に明らかにすることである。これにより、介護の人材育成のためのマニュアル作成を目指すものである。 2019年度は、(1)2018年度に対象とした在住外国人の追跡調査、(2)来日した技能実習生の調査を行った。(1)在住外国人(ミャンマー出身、日本在住歴20年以上、日本語上級レベル、グループホーム勤務)1名の追跡調査では、インタビュー調査を行い、2018年度から継続して順調に業務を遂行している状況を確認した。今後、この対象者が順調に就労を継続し、指導的立場になった際には、自ら習得した介護技術をどのように新人の介護職員に指導するのかを調査したいと考える。 分析では、2018年度の就労場面の調査のデータを対象に、グループホームでの業務の実態、介助が予定通りに円滑に進まない場面のやりとりに着目した。介護技術講習会の分析では、1人の高齢者に対して個別の介助が行われていたのに対し、就労場面では、複数の高齢者に対して複数の介助を連続して行う場合もあった。さらに、グループホームの業務表からは想定外となるやりとりも観察された。 (2)技能実習生に対しては、まず、9月に来日した4名全員にインタビュー調査を行った。このうち、(1)在住外国人と同じように、グループホームに勤務することとなった1名の就労場面の調査を行った。また、4名が介護に関する研修を定期的に受講することとなり、その研修の様子も収録した。さらに、グループホームの施設長や研修担当者にもインタビューを行った。2020年度はこれらの複数のデータを総合的に分析し、(1) 在住外国人のデータと比較を行いたいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度に収集した在住外国人を対象とした調査の分析を進め、発表を行った。 技能実習生も来日したため、インタビュー調査、就労場面の調査、さらに研修場面の調査も行った。今後、これらの調査で収集したデータの分析を進めていく状態にある。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、在住外国人に関しては、就労場面の調査のデータの分析を他の収集データも含めて行い、グループホームでの業務の実態とその特徴や問題を記述する。これをもとに、人材育成のためのマニュアルの検討を始める。 次に、技能実習生に関しては、2019年度のインタビュー調査と就労場面の調査の分析を、在住外国人のデータと同様に進め、両データの分析結果の比較を行う。また、研修場面の調査のデータでは、研修生が現場で遭遇した問題について話しており、就労場面のデータと合わせて多角的に検討したいと考える。さらに、可能な範囲で2020年度にも2019年度と同様の調査を行い、技能実習生の介護技術の習得状況を記述したいと考える。
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Causes of Carryover |
2020年度の調査も想定し、2019年度はデータの文字化の対象を限定して行った。特に、研修場面のデータの全てを文字化するには予算が不足していたため、研修内容を検討して文字化の対象を特定する。 2020年度は新型コロナウイルス感染症の状況によっては調査計画を修正する必要が生じると予測され、これにより予算の執行にも影響が出ると考えられるが、現段階までに収集したデータの分析を進めつつ、状況をふまえて調査計画を検討していく。
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Research Products
(9 results)