2018 Fiscal Year Research-status Report
行動分析学理論を援用した介護保険サービス事業所の離職率ゼロの実現方策に関する研究
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18K02125
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
多賀 努 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (40415500)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 離職率ゼロ / 介護保険サービス事業所 / 行動分析学 / 学習心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「管理職員が一般職員の行動を支持的に評価する関係は離職防止・定着促進に効果がある」という仮説を、「離職防止・定着促進」の要因分析にもとづき検証し、その具体的な方策の開発まで含めて行うことを目的とする。 過年度は、離職率ゼロを「3年間の離職者3人未満」と定義し、該当する条件の介護保険事業所を選定する方法の検討を行った。その結果、厚生労働省の所管する「介護サービス情報公表システム」が利用可能であることがわかった。そこで、厚生労働省に依頼し、「介護サービス情報公表システム」の事業所情報を入手し、得られた事業所情報から該当する条件の事業所を選定するためのデータベースの構築を行っているところである。 並行して、介護保険サービス事業所に対するフォーカスグループインタビュー調査の調査項目の検討を行ってきた。本研究は行動分析学の枠組み(ABC分析)を援用している点に特徴があり、離職率ゼロの事業所は「A:業務上の課題」に対する「B:一般職員の対処行動」に対して「C:管理職員の反応・対応」が支持的であることが、本研究の分析枠組みである。そこで、フォーカスグループインタビュー調査の調査項目として「管理職員が一般職員の仕事上の気づき・挑戦を奨励する職場環境か?」等の検討を行ってきた。介護保険サービス事業所の離職に職場の対人関係が深く関わっていることは経験的に知られてきたが、対人関係の構造を行動分析学の枠組みで明らかにする研究は、国内外に例がない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
厚生労働省に依頼し、「介護サービス情報公表システム」の事業所情報を入手したが、その手続きに時間を要した。また、システムの情報が複数のファイルに分割されており、情報の統合に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度を含む2か年は、離職率ゼロの要件に該当する介護保険サービス事業所の選定およびフォーカスグループインタビュー調査の実施を行う。 次年度以降は、研究計画に準じ、今年度調査の成果にもとづき、事例集・研修プログラムの作成を行う。
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Causes of Carryover |
過年度は業務多忙のため、国際学会に参加できず、先進事例を視察できなかった。今年度は介護保険サービス事業所のフォーカスグループインタビュー調査を実施するため、未使用額も費消の予定である。
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