2020 Fiscal Year Research-status Report
生活支援体制整備事業における生活支援コーディネーターと協議体のあり方に関する研究
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18K02160
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Research Institution | Sendai Shirayuri Women's College |
Principal Investigator |
志水 田鶴子 仙台白百合女子大学, 人間学部, 准教授 (70326750)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 生活支援コーディネーター / 協議体 / 地域づくり / 地域支え合い |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、個々の地域特性に応じた生活支援コーディネーター(以下SC)と協議体の役割と機能を明らかにし、その展開過程を視覚的に示しながら、地域住民を巻き込んだ協議体運営と地域づくりとの連携方法などについて検討することを目的として進めてきた。しかしながら、2019年度終盤から現在まで、新型コロナウィルス感染症の流行により、地域活動の停滞、中断などは依然として継続しており、SCも地域住民の活動の再開状況の把握やコロナ禍での活動再開の支援を手探りで展開しているところが多い。また協議体の開催も開催回数を減らしたり、時間を短縮するなど、対面で開催する際にも工夫が見られた。一方、オンラインで協議体を開催し、地域課題についての話し合いを再開した地域もある。例えばA市では第1層は対面で協議体を開催しているが、第2層の協議体はSCが協議体メンバーにZoomの使い方を教えながら、オンラインで実施していた。オンラインでの協議体開催をきっかけに、SCがZoomやLINEの機能や使い方を地域住民に説明し、オンラインを活用したつながりづくりにつなげていた。さらにA市では、市の保健師などが集いの場の再開時の注意事項が記載されている資料と、消毒薬を含めた新型コロナウィルスの予防グッズを配布しながら、集い場の再開状況の把握や相談に応じるなどの活動を行っていた。またB市の地域包括支援センターのSCは、集い場などの再開を促す際、感染拡大地域であることも影響し、他市に比較して際立って消極的であることが悩みであることが語られた。また、認知症の悪化や要支援から要介護状態へと移行するケースも増加傾向にあり、今後地域住民の集い場活動などの停滞が長引くことで、さらなる要介護者の増加の懸念が語られた。本研究は計画よりも大幅に遅れているが、引き続きSCと協議会の役割と機能を明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルスの感染拡大により、地域住民の集い場や支え合い活動が停滞、中断が継続している。また本研究代表者が所属する大学は感染拡大地域であることから、調査地域に出向くことが難しい時期が長かったこと、生活支援コーディネーターが所属している行政や社会福祉協議会、地域包括支援センターのオンラインでの会議システムも整備できていないところもあったことなどである。
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Strategy for Future Research Activity |
オンラインでインタビューができる調査対象団体が増えたため、生活支援コーディネーターへの調査は開始可能である。協議体については対面実施することが決まっている地域もあるため、協議体メンバーへのインタビューも検討できる状況にある。ただ、予定していた時間よりも短くするなど、調査協力をしてくれる協議体メンバーへの心理的負担の軽減には十分配慮する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大により、県内外への移動の自粛、オンラインでのインタビュー調査を実施する体制が調査対象者の組織等に整わず、実施を見送ってきたことが理由である。
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