2021 Fiscal Year Research-status Report
コモンリスク因子戦術への展開と国際標準化に向けた食基盤型齲蝕リスク評価法の開発
Project/Area Number |
18K02250
|
Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
仲井 雪絵 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 教授 (70284073)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 有紀 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 准教授 (30612618)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 分娩様式 / 出生時体重 / 乳歯齲蝕 / MS菌 / 酸産生能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題における計画の中で,乳幼児における口腔と全身の関連性からコモンリスクファクターアプローチの基盤を探索した. 経腟分娩で出生した子どもと比較して帝王切開で出生した子どもは,ミュータンスレンサ球菌(MS菌)が口腔内に早期定着を認めたという研究報告がある.すなわち周産期の環境は,後の齲蝕発症のリスク要因になりうることを示唆する.2017年わが国において帝王切開娩出術によって出生した子どもは14.0%(一般診療所)ならびに25.8%(一般病院)であり,年々増加の一途をたどっている.また出生数に占める低出生体重児(LBW)の割合は1980年代から増加を示し,近年は9%台で横ばいの状況である.LBWは出生後に医療的ケアを要する場合も多く,成人期も含めた生活習慣病に関連するリスクも大きいことが指摘されている. 『胎児期や乳児期の環境因子が,成長後の健康や様々な疾病の発症リスクに影響を及ぼす』という概念であるDOHaD(Developmental Origin of Health and Disease)説がある.「NCDsの起源は胎児期にあるのではないか?」という仮説をもとに多くの研究者が検証を行ってきた.それゆえ,DOHaD的な観点から齲蝕リスクを検討する意義は高いと考えた.そこで,日本人小児において分娩様式と出生時体重がその後の乳歯齲蝕の発症ならびに齲蝕原性細菌(MS菌数・酸産生能)に関連するか否かを検証した. 歯科医院を受診した3-6歳の患児を対象に,口腔内診査と齲蝕活動性試験を実施した.患児の母親に質問紙の回答を依頼し,患児に関する分娩様式と出生時体重の情報を得た.アウトカム変数は,(1) 齲蝕罹患状態,(2) MS菌数,(3) 歯垢構成細菌の酸産生能とした.分娩様式(経膣分娩,帝王切開)および出生時体重(低出生体重<2500g,2500g≦正出生体重)を独立変数としてロジスティック回帰分析を行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究計画に関するデータ収集・分析の遂行自体は,コロナ禍にしてはなんとか進めることができた.そして,研究成果を国内学会(日本小児歯科学会)ならびに国際学会(IADR)にて発表することができた.しかしながら,コロナ禍で校務が倍増している中で学術論文に仕上げるまでの猶予が無かった.それゆえ,達成度を「やや遅れている」と判断した.
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの総まとめとして論文を作成し,専門学術雑誌に投稿する予定である.
|
Causes of Carryover |
国際学術雑誌へ投稿する予定であるため,英文校閲料ならびに論文掲載料が必要である.
|
Research Products
(11 results)