2020 Fiscal Year Research-status Report
教員養成における質保証システムの日本的特質と構造的課題に関する比較研究
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18K02289
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
佐藤 千津 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (20271356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 耕司 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60219269)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 教員養成 / 教師教育 / 質保証 / アクレディテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、イギリス(スコットランド)とオーストラリア(ビクトリア州)の教員養成機関(本研究では大学を対象とする)に対するアクレディテーションの実施過程に着目し、アクレディテーションにおける外部評価と内部質保証の連動メカニズム、およびそれを成立・機能させる要件の解明を目的としている。そのうえで、これら二つの地域の質保証モデルを比較の枠組みとしながら、日本の教員養成の質保証システムに固有の特質と構造的課題を明らかにすることを試みる。 今年度は、前年度に実施できなかったイギリス(スコットランド)における現地調査を実施する予定であった。2011年から2012年にかけて実施した教員養成課程のアクレディテーションに関する参与観察及びインタヴュー調査の結果を踏まえ、その後の各大学での質的改善に向けた具体的な取り組み状況等について調査を実施する計画であった。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響でイギリスへの渡航と調査の実施が依然として困難であり、その部分の調査は延期せざるを得なくなった。 その一方で、オーストラリアの研究協力者とのオンラインミーティングを研究分担者とともに定期的に続け、オーストラリアの事例に関する分析を継続して行った。従来の補償的意味合いの強いコロニアルな視点からではなく、先住民族の権利の視点(ポストコロニアルな視点)から教員養成制度とそのための質保証システムを捉え直して考察した。当初に計画したように、その成果の一部をまとめた図書を刊行することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
イギリス調査に関しては、以前に実施した教員養成プログラムに対する調査結果を踏まえ、その後の展開過程について、これらのプログラムに対する調査を3月に実施する予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、現地調査の実施が依然として困難であるため、全体として研究はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、これまでに実施できていないイギリス(スコットランド)における現地調査を実施する計画であるが、新型コロナウイルス感染拡大状況によってはオンライン調査の可能性も検討する必要がある。但し、オンラインによる調査には限界があるため、調査内容を精査しつつ、最善策を検討したい。それと並行して、オーストラリアの事例に関する分析も継続し、研究の総括を行いたい。
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Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、海外における現地調査が実施できなくなったため、次年度使用額が生じた。実施できなかった調査は2021年度に実施する予定である。
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Research Products
(6 results)