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2019 Fiscal Year Research-status Report

地方創生に資する遠距離通学者支援に関する総合的研究

Research Project

Project/Area Number 18K02309
Research InstitutionUniversity of Miyazaki

Principal Investigator

湯田 拓史  宮崎大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (20448161)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords寄宿舎 / 寮 / 通学負担
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、通学区域が広域化しつつある中等教育機関の寄宿舎について、寄宿舎運営のあり方や寄宿制での生徒の生活状況について、中長期的に検証することを目的としている。昨年度は宮崎県椎葉村立市伊波中学校の寄宿舎を調査し、遠距離通学のため寄宿舎生活を余儀なくされている中学生達の生活の状態や寄宿舎の運営状況を検証した。そして、寄宿舎での生徒達の学力保障の難しさを指摘した。
本年度は高知県の私立土佐高等学校を対象として、次の3つの作業を行った。1つ目は、戦前の勤労学徒で高知県から兵庫県尼崎市に勤労動員され、武庫郡御影町の酒蔵を寄宿舎として生活した中学生達の検証である。2つ目は、旧制土佐中学校の寄宿舎生活と戦災での被害状況の検証である。3つ目は、現在の土佐高等学校寄宿舎で生活する高校生へのアンケート調査結果である。
その結果、土佐高等学校では旧制時代に戦災でいったん廃止しながらも1980年代に寄宿舎を再開した。旧制時代においては、校地内に寄宿舎が設置されており、教師と生徒とによる共同生活が営まれていた。しかしながら戦災で焼失した。1980年代に遠距離から通学する生徒と野球部に所属する生徒とを対象として寄宿舎が再開された。旧制時代とは異なり、校地から離れたところに寄宿舎が設置された。一方で、学徒動員で県外に移動させられた生徒のために当時の兵庫県武庫郡御影町の酒蔵を改造した寄宿舎が設置され、さらにこのことが戦後の県外就職者の増大に結びつくことを明らかにした。
これらの成果は2020年11月刊行予定の『創立百年史 土佐中学校・土佐高等学校』において発表される予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

2019年度は、高知県の土佐高等学校(旧制土佐中学校)での歴史的検証とアンケート調査のまとめを実施した。そして、戦前と現在との比較だけではなく、戦時中の学徒動員で兵庫県尼崎に動員された旧制土佐中学生の生活の様子を検証し、戦後の県外就職者の増大に結びつくことを明らかにした。いずれの成果も学術雑誌と学校史に掲載されることになった。

Strategy for Future Research Activity

コロナ感染症対策による休校措置で取材に制限があるが、可能な範囲での情報収集に努めたい。九州内の公立中学校の寄宿舎の状況について、宮崎県外の事例を収集して比較検討を行う。中等教育機関の寄宿舎についての情報を収集して、前期課程と後期課程の生徒に対する指導の違いの有無を明らかにする。私立学校については、土佐高等学校以外の事例の収集を進めていく。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 大谷重工尼崎工場への四国からの勤労学徒2019

    • Author(s)
      湯田拓史
    • Journal Title

      地域史研究

      Volume: 119 Pages: 62-75

URL: 

Published: 2021-01-27  

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