2019 Fiscal Year Research-status Report
Fundamental study about the contents and the formation process of human rights recognition in human rights education
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18K02353
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Research Institution | The Institute of Buraku Problem |
Principal Investigator |
梅田 修 公益社団法人部落問題研究所, その他部局等, 研究員 (90111905)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 人権教育 / 人権認識 / 人権感覚 / 同和教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.道徳教育と人権教育に関する研究会を積み重ね、道徳教育における人権認識の内容について検討した。実施した研究会のテーマは、次の通りである。「道徳科の評価をどうするか」「対話的生き方と暴力克服の教育の可能性―道徳『特別教科』化の問題点も視野において」「民主的な世界、日本の主体形成を考える『公共の授業』をつくる」「道徳科の授業を『よりマシ』にするには―『特別の教科』道徳の民主的再構成」「安倍『教育再生』と新学習指導要領」 2.これまでの研究成果を報告した―森田満夫「道徳教育と人権としての教育」(部落問題研究所『部落問題研究』第229輯、2019年6月)・梅田修「人権教育をめぐる動向と道徳教育」(部落問題研究所『部落問題研究』第231輯、2020年3月)。森田は、「人権としての教育」は「自らの人権の本質を理解し、人権を守る能力を獲得する権利」として具体化されるべきであることを指摘した。梅田は、第1に、人権教育の指導方法等に関する調査研究会議「第3次とりまとめ」(2008年)で強調されている「人権感覚」は教育内容としては設定しがた曖昧な概念であること、第2に、道徳教育における人権認識は「人権尊重の精神を養う」といった内容に集約されるものであり、「人権としての教育」に関わる認識は視野にないことなどを明らかにした。 3.戦後の同和教育において、子ども人権認識の形成にかかわる実践がどのように展開されてきたのか、またその成果は何かを検討するために、戦後の同和教育実践に関わる資料収集と分析を進めた。特に1950年代~1960年代の実践に注目して、「教育と生活の結合」という原則を深めていった過程を明らかにすることに留意した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.国際的な人権教育の研究については、八木英二が「キー・コンピテンシー再定義と新旧学習指導要領」(部落問題研究所『部落問題研究』第228輯、2019年3月)で報告して以降、継続して追究している。生田は、ドイツにおける人権教育に関する調査を継続的に行っている。 2.国の人権教育をめぐる動向については、道徳教育との関連も考慮しながら、森田・梅田がすでに研究成果を報告している(「研究実績の概要」参照)。自治体の人権教育に関する資料については、川辺が収集・分析を進めている。 3.戦後の同和教育実践の分析については、森田が戦後の同和教育実践の図書・資料を収集して分析を進めている。人権教育実践の分析については、川本が戦後の社会科における実践を中心に図書・資料の収集と分析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
国際的な人権教育については、2020年度中に研究成果をまとめ、報告する予定である。国の人権教育については、すでに研究成果を報告しているが、その後の動向について研究を進め、2020年度中に研究成果を報告する予定である。自治体の人権教育についても、2020年度中に研究成果を報告する予定である。戦後の同和教育・人権教育実践に関する図書・資料のの分析を進め、2020年度中に研究成果を報告する予定である。
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