2020 Fiscal Year Annual Research Report
Fundamental study about the contents and the formation process of human rights recognition in human rights education
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18K02353
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Research Institution | The Institute of Buraku Problem |
Principal Investigator |
梅田 修 公益社団法人部落問題研究所, その他部局等, 研究員 (90111905)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 人権教育 / 人権認識 / 人権感覚 / 同和教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、人権に関する態度・行動の形成につながる人権認識の内容と形成過程を明らかにすることを目的とする。八木英二は、OECD/PISA調査の核となったキー・コンピテンシー概念とその再定義にふれながら、日本における学習指導要領への影響と学校における子どもの認識形成の質を検討した。また、教育のデジタル化の進行に伴い、「学ぶ者同士の協働とつながりの意識」が希薄化する危険性も指摘する(2020年度)。 森田満夫は、「人権としての教育」は「自らの人権の本質を理解し、人権を守る能力を獲得する権利として具体化されるべきだと指摘し、その具体的実践を戦後の同和教育実践の中に見出した(2020年度)。梅田修は、人権教育の指導方法等に関する調査研究会議の「第3次とりまとめ」(2008年)で強調されている「人権感覚」は、教育内容としては設定しがたい曖昧な概念であること、道徳教育で示される人権認識は「人権尊重の精神を養う」といった内容に集約され、「人権としての教育」に係わる認識は視野にないことを明らかにした。また、部落差別に係わる法務省調査にもふれて、旧同和地区出身者が「気になる」という意識と偏見・差別意識を直接関連させていることの問題点を指摘した(2020年度)。川本治雄は、社会認識は歴史認識・現状認識・人権認識・地理認識などの総体としての認識であると規定し、国語科における文学作品による人間認識、生活綴り方による生活認識の形成と密接に関連していると指摘する(2020年度)。 川辺勉は、新型コロナ感染症によって住民の中に差別的言動などが発生していることに注目し、差別的な言動が生じてくる構図を分析している。この研究は、差別意識の形成過程と人権の認識形成の研究の基盤になり得るとの位置づけである(2020年度)。
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Research Products
(7 results)