2019 Fiscal Year Research-status Report
人口減少地域における「場としてのコミュニティ」を核とする地域教育改革の開発的研究
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18K02363
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
武井 敦史 静岡大学, 教育学部, 教授 (30322209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 桂吾 静岡大学, 教育学部, 講師 (20646674)
中村 美智太郎 静岡大学, 教育学部, 准教授 (20725189)
伊藤 文彦 静岡大学, 教育学部, 教授 (60184686)
鈴江 毅 静岡大学, 教育学部, 教授 (70398030)
梅澤 収 静岡大学, 教育学部, 教授 (90223601)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 場 / 学校再編 / 地方創生 / コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度までの研究蓄積を土台にアクションリサーチの準備・実施に取りかかっている。今年度は、昨年度まで実施してきた理論研究をさらに深化させると同時に、アクションリサーチの実施に向けた実践的・理論的な基盤固めに力点を置いて研究を推進した。 本研究の研究成果の一部は、日本教育経営学会の紀要の実践事例論文(「地域発展に繋がる学校再編の実現プロセス」)として投稿し掲載が決定している(2020.6.刊行予定)。同論文は本研究の対象地域でもある下田市の全市的な中学校の再編に関する組織動態について、ケーススタディとして市の学校再編担当者と共同執筆したものであり、教育委員会行政のガバナンスのあり方について従来の実践記録や研究論文にない視点を提示するものとなっている。 この他、アクションリサーチの実施に向けて研究の裾野を拡大する目的で、大学外の関係者も加えた拡大研究会を2回開催し、各回とも30名ほどの参加者を得て議論を重ねた(当初3回の予定であったが1回は新型コロナウィルスの感染拡大防止のため中止)。さらに今後の地方において有力な選択肢を提供するものと考えられる広域通信制高校である学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校や、ウェブデザイン教育を核に地方創生事業を展開してきた株式会社クリエイターズマッチ社より講師を招いて、講演・研究協議も行っている。 以上のようにこれまでのところ、本研究は総じて着実に実績を上げているものと認識している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述のように、2019年度までは研究計画は着実に進捗しつつある。2019年度までの研究の進捗によれば、下田市、牧之原市、川根本町などにおいて会議や研修等に本研究の研究協力者等が組織的に参画すると同時に、調査地域の教育委員会に対してノウハウの支援を行ってきており、互恵的な協力関係が築かれている。 こうした関係を土台として、アクションリサーチの準備を進め、研究のための協力要請をしてきている。 また、本研究のテーマとしている課題はその実践的価値が高く、人口減少地域にとっては切実な問題でもあることから、その成果は著作のかたちで公開する可能性を模索しており、現在出版社と交渉を進めている。 しかし、一方で当初の研究計画の遂行に関しては重大な懸案が生じている。新型コロナウィルスへの対応によって、年度末より教育委員会や学校現場等においてもほぼすべての活動が見直されており、2020年度までに計画してきたアクションリサーチやフィールド調査の可否も含めて、その実施が可能性を見通すことができない状況となっていおり今後の進捗が懸念される。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度以降は当初アクションリサーチの実施とその評価を中心に研究を推進する予定であった。上述のように新型コロナウィルスの感染拡大を受け、計画修正は不可避であると考えられるが、一方で本研究はアクションリサーチなしでは成立しにくいことから、今後の方向性については対象市町の担当者とも相談しながら検討を進めているところである。 今後の研究の展開について、これを当初の計画通りに推進することは困難な場合、①研究期間延長を申請し2021年度以降も研究を継続する、②対象地域を変更して他の候補地の可能性を探る、③研究のターゲットを修正してより理論的な側面に着目した研究とする、といった対応が必要となる可能性も考えられる。 いずれの場合もいくつかの懸念材料があることから、上記新型コロナウィルスの感染拡大の状況及び学校や教育委員会の対応方針を鑑みながら、2020年度のできるだけ早い段階で、速やかに研究の推進方針を検討したいと考えている。
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Causes of Carryover |
フィールド調査が当初予定していたよりも回数が少なくて済んでいることと、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う研究期間の修正を想定し、可能なかぎり節約に努めているため。残額は延期した調査及び研究発表の際の旅費等に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)