• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

A Study of the Purpose of Learning : Between "Science" and "Social Studies"

Research Project

Project/Area Number 18K02411
Research InstitutionTokyo Gakugei University

Principal Investigator

金子 真理子  東京学芸大学, 先端教育人材育成推進機構, 教授 (70334464)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 三石 初雄  東京学芸大学, 先端教育人材育成推進機構, 名誉教授 (10157547)
坂井 俊樹  開智国際大学, 教育学部, 教授 (10186992)
原子 栄一郎  東京学芸大学, 環境教育研究センター, 教授 (70272630)
小林 晋平  東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (70513901)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2025-03-31
Keywordsカリキュラム / 教育の目的
Outline of Annual Research Achievements

今年度は、過去や現在のカリキュラムを検討しながら、私たちが支持しうる「未来の社会」へとつながるカリキュラムについて考え、『「未来のカリキュラム」をどう創るか』という書籍にまとめた。羅針盤にしたのは、「未来のカリキュラム」という概念である。M.F.D.Young(訳書2002『過去のカリキュラム・未来のカリキュラム-学習の批判理論に向けて-』)によれば、「未来のカリキュラム」の概念は、「未来の社会の概念、それを作りだし維持するためのスキル、知識、姿勢、そしてこのような社会を現実的に可能なものとするような、知識の諸形態間の関係」を含んでいる。それゆえに、カリキュラム論争は、「異なる目的をめぐるものであり、私たちが21世紀に期待する各々に多様な社会観」をめぐる論争となる。
以上の概念は、私たちの問題の射程をカリキュラムそのものから、そこに埋め込まれた目的へ、さらには、新たなカリキュラムを創ったり変革したりする営みの検討へと広げてくれた。1章では小林が、主観を重視した物理・理科の教育実践を、2章では坂井がこれからの地球社会に向き合う歴史・社会科の教育実践を、それぞれ提案した。3章では三石が、西表島の教師が取り組んだ「ヤマネコ学習」を紹介・分析し、それがどのような教育内容と方法ならびにカリキュラム論を背景として生まれたのかを検討した。4章では原子が、現代環境教育の世界標準であるESD(持続可能な開発のための教育)の根本課題を「持続不可能な社会を支えている教育を考え直し、その向きを変えること」ととらえ、その具体化を環境教育の視点から考察した。5章では金子が、イギリスの科学の教科書を事例に、「未来のカリキュラム」が構想され、具現化され、変容していった社会的プロセスを追うことで、「未来のカリキュラム」をどう創るか、それをどう維持できるのか、カリキュラムを決めるのは誰か、という問題に迫った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究があえて問うてきたのは、いま学校で教えられている教育的知識が、子どもが生きていく上で糧となるような、価値ある知識になっているだろうか、ということだ。これは、知識の多寡というより、どのような知識が何のために必要とされているかという、知識の質、その目的や方向性、そして機能に関する問題である。本年度は、以上の問いをめぐり、研究会を毎月定期的に開催するとともに、これまでの研究成果を書籍として刊行した。

Strategy for Future Research Activity

本年度は、共同研究者の間で活発な議論のもと、これまでの研究成果を書籍として刊行した。次年度は、公開研究会を通して読者と意見を交流し、それをもとに本研究の知見を整理してまとめていく。

Causes of Carryover

本年度は、これまでの研究成果をもとに書籍を刊行し、公開研究会を開催する予定であったが、研究成果のとりまとめに時間がかかり、書籍の刊行が3月下旬にずれ込んだため、開催できなかった。次年度は、公開研究会を通して、広く意見の交流を図り、本研究の成果をさらに整理する予定である。翌年度への繰り越し金は、書籍の購入や公開研究会の開催等に使用する。

  • Research Products

    (9 results)

All 2024 2023

All Journal Article (6 results) Book (3 results)

  • [Journal Article] 「理科教育における戦後「系統的学習」論の形成過程の考察」2024

    • Author(s)
      三石初雄
    • Journal Title

      『子どもと自然学会誌26』

      Volume: 第19巻第1号 Pages: 1-22

  • [Journal Article] 「「環境を守る」という価値選択的課題を公教育でどう位置づけるか」2024

    • Author(s)
      三石初雄
    • Journal Title

      『理科教室』

      Volume: 2024年2月号 Pages: 74-79

  • [Journal Article] 「2000年代後半からの私の環境教育の歩みに関する自己省察:緒方正人さんとの出会いを通して」2024

    • Author(s)
      原子栄一郎
    • Journal Title

      『環境教育学研究』

      Volume: 33 Pages: 3-25

  • [Journal Article] 「高校理科の学習指導要領改訂に見る新たな動向」2023

    • Author(s)
      三石初雄
    • Journal Title

      『理科教室』

      Volume: 2023年10月号 Pages: 37-43

  • [Journal Article] 「遠心力を用いない第 1 宇宙速度の説明について ― 水平投射の観点から ―」2023

    • Author(s)
      小林晋平・太田渓介
    • Journal Title

      東京学芸大学紀要 自然科学系

      Volume: 第75巻 Pages: 11-15

  • [Journal Article] 「歴史教育実践と教科書ー授業を巡る相克-」2023

    • Author(s)
      坂井俊樹
    • Journal Title

      『日本歴史学協会年報』

      Volume: 2023年度版 Pages: 57-67

  • [Book] 「未来のカリキュラム」をどう創るか2024

    • Author(s)
      金子真理子編著
    • Total Pages
      233
    • Publisher
      創風社
    • ISBN
      978-4-88352-280-4
  • [Book] 専門職として成長し続ける教師になるために2023

    • Author(s)
      山﨑 準二・紅林 伸幸編著
    • Total Pages
      216
    • Publisher
      人言洞
    • ISBN
      978-4-910917-10-8
  • [Book] 新しい時代の教育課程〔第5版〕2023

    • Author(s)
      田中 耕治・水原 克敏・三石 初雄・西岡 加名恵
    • Total Pages
      378
    • Publisher
      有斐閣
    • ISBN
      978-4-641-22228-1

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi