2022 Fiscal Year Research-status Report
放課後等デイサービスにおける支援機能向上に資する複層的な支援リソースの開発と検証
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18K02440
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
石本 雄真 鳥取大学, 教育支援・国際交流推進機構, 准教授 (90612309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 隆宏 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (60644523)
松本 有貴 徳島文理大学, 人間生活学部, 教授 (90580887)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 発達障碍 / 心理教育 / SEL / 感情 / 不安 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は昨年度に引き続き、これまでの試行的な実践を踏まえた改訂を行った心理教育プログラムの放課後等デイサービスでの実施を行った。実践に際して、先行実施群と対象群としての待機群を設定し実施を行ったものの、新型コロナウイルス感染症の影響等により放課後等デイサービス利用児の利用頻度がまちまちであり、群内でもプログラム実施時期、効果測定のための調査実施時期に大きなばらつきが生じた。また、当初想定していたよりも実施協力事業所の数が集まりにくかったため、参加者数が十分ではなかった。 これらのことから、効果検証においては先行実施群と対象群を分けずに、単一群としての分析を行わざるをえなかった。また、多くの対象者で当初想定していた調査実施時期内でのアンケート回答が得られなかったため、分析対象とする基準を緩和し分析を行った。これらの結果については、論文として研究紀要に採録された。 職員対象の研修については、神戸市内で参加者を募集して実施した。対象者は放課後等デイサービス事業所で勤務している者であった。参加者への調査の結果、参加者の多くは研修に対して満足感を感じていたものの、子どもへの対応に関する効力感や保護者への対応に関する効力感では統計的に有意な向上がみられなかった。ただし、研修前に効力感が低かった者においては、中程度の効果量を示す得点の向上がみられた。 このほか、心理教育プログラムについては、特別支援学校や一般学校での実施も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は心理教育プログラムについても、職員研修についても本実施を行うことができたものの、対象者の数については十分ではなく、より正確な効果の検証のためにはさらに多くの対象者を対象とした実施が必要であると考えられるため。また、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受け、放課後等デイサービスにおける想定のペースでのプログラム実施が困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
心理教育プログラムについては、昨年度協力を得た放課後等デイサービス運営企業の協力を引き続き得たうえで、より多くの対象者への実施を行い効果を検証する。加えて、昨年度職員研修プログラムに参加した者を対象に心理教育プログラム実施の募集を行い、効果を検証する。 職員研修プログラムについては、内容をより向上させたうえで、あらためて実施及び効果検証を行う。 これまでの研究内容についてまとめ、発表を行う。
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Causes of Carryover |
進捗状況の遅れに伴い研究期間を延長することとしたため、次年度の研究資金として次年度使用額を繰り越すものである。繰越額については、次年度の介入実践及び研究発表等に用いられる。
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Research Products
(5 results)