2022 Fiscal Year Annual Research Report
An ethnomethodological study on the culture of childcare facilities and its effect on the quality of play
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18K02452
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
松永 愛子 目白大学, 人間学部, 准教授 (30461916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河邉 貴子 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (20320806)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 保育方法学 / 遊びを中心とした保育 / エスノグラフィー / アクションリサーチ / ダッシュボード型環境図マップ記録 / 遊びの質 / 園文化 / 遊び保育法 |
Outline of Annual Research Achievements |
保育者は、「遊びの質」を判断する際、「園文化」の影響を無意識に受ける。しかし、「園文化」は、可視化・言語化が難しく「園文化」による「遊びの質」の違いは十分に研究されてこなかった。本研究は、40年以上教師主導型の保育をしていたが、遊び中心の保育へと転換を目指すH園におけるエスノメソドロジー法によるフィールドワークから3点の成果があった。 1.「遊びの質」の発達過程の記述化。保育者の保育記録、実践記録、インタビューデータから、保育の変換過程において保育者が子どもの「主体性」という「言葉」と子どもの遊びの「実態」をどのように結びつけ、援助を行うのか分析した。その結果、保育者は、初期は子どもの主体性を子どもの自己決定と、中期は興味の継続と、後期は保育者と子ども/子ども同士の相互作用に見出しており、援助方法に影響を与えていた。詳細は、小川博久理論集成に掲載した。 2.保育方法学の必要性の発見。保育実践から立ち上げる理論(カリキュラム、カンファレンス時に使用する共通言語)、道具(環境構成法・記録法)、事例(行動目標)が一体的に考えられるとき、つまり保育方法が意識されるとき、園文化の変革に役立つことがわかった。複数の保育方法の特徴の分類、比較、情報交換、切磋琢磨をするための保育方法学の確立は、園文化改善に寄与する。研究対象園において、園に適した保育方法の発見・活用に役立った3年間分の保育者研修の内容をHPに公開した。 3.新しい保育実践の記述方法の開発。保育方法の働きをとらえ「園文化」の前後を比較するには、複雑な保育実践を比較できる記述方法が必須である。ネットワーク分析による描写を試み、学術論文に掲載。また、ダッシュボード型環境図マップ記録として「ゲシュタルトとしての集団」、「多様な解釈が可能な個」、「保育者の時間を超えた原因―結果意識」を一体的にとらえる記述方法を試み、学術論文掲載を目指す。
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Research Products
(4 results)