2018 Fiscal Year Research-status Report
小児がんサバイバーの口腔およびコミュニケーション機能発達支援プログラムの構築
Project/Area Number |
18K02486
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
温水 佳世子 宮崎大学, 医学部, 医員 (20648117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 順子 宮崎大学, 医学部, 講師 (50264429)
山下 善弘 宮崎大学, 医学部, 教授 (30254634)
井川 加織 宮崎大学, 医学部, 助教 (90423722) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小児がん / 晩期合併症 / 単根 / 欠損歯 / 不正咬合 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児がんは70%以上で長期生存可能であるが、治癒後も大半が成長障害や免疫・内分泌障害など晩期合併症に直面する。口腔顎顔面領域の晩期合併症としてへの認知度は低く、その実態や要因、患者の生活に及ぼす影響、治療効果などは不明で、長期的フォローアップはほとんど行われていない。そこで、本研究では、小児がん経験者を対象に、口腔顎顔面領域の形態的・機能的問題、およびそれらが心身機能やQOLに及ぼす影響を調べ、形態的・機能的発達を支援するための短期・長期フォローアッププログラムの構築を目指す。 対象は、宮崎大学医学部附属病院歯科口腔外科・矯正歯科を受診した小児がんおよびそれ準ずる疾患で治療を受けた患者である。 本年度は、対象患者のうち治療開始年齢が12歳以下の者で、倫理委員会で承認された書式に従い説明・同意の得られた46名(男性20名、女性26名、治療開始年齢平均5.6歳±3.0)について、分析を行った。 病名は急性リンパ性白血病20名で最も多く、次いで悪性リンパ腫6名、神経芽腫4名であり、腫瘍ではないが小児がんに準じた治療を受けた者として、慢性活動性EBウイルス感染症患者2名が含まれた。治療は化学療法単独が25名、放射線化学療法が9名、造血幹細胞移植を受けたものが12名であり、そのうち成長ホルモン分泌不全性低身長に対して、4名が成長ホルモン治療を受けていた。当科での検査時年齢は平均13.9歳±4.9で、対象には矯正治療経験者は含まれていなかった。 資料として診療録、口腔内写真、顔面写真、パノラマエックス線写真、頭部エックス線規格写真、口腔模型を用い、分析を行った。その結果、46名中45名に不正咬合を認めた。現在不正咬合の分類等について詳細な解析を進めている。また、小児がん治療による顎口腔領域の晩期合併症として、歯の欠損、単根、う蝕や歯肉炎等も指摘されており、それらの頻度等についても解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、すでに46名の被験者の検査を終え、小児がん治療による顎口腔領域の晩期合併症として、歯の欠損、単根、不正咬合の頻度や特徴について解析をすすめ、論文執筆に着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、論文執筆をすすめるとともに、う蝕や歯肉炎等の頻度や、口腔細菌等との関連についても解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
口腔細菌検査の解析を1件ずつ発注すると支出が大きくなるが、まとめて発注して一度に検査を行うと支出を減らせることから、本年度検査を行った試料を凍結保存し、一定量ためてから次年度に外注することとしたため。
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