2020 Fiscal Year Research-status Report
Empirical Study on Creating Curriculum of Kindergartens and Day Nurseries in the Early Postwar Period
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18K02504
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Research Institution | Nagoya Ryujo Women's University |
Principal Investigator |
豊田 和子 名古屋柳城女子大学, こども学部, 教授 (80087915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清原 みさ子 名古屋柳城女子大学, こども学部, 研究員 (00090366)
寺部 直子 名古屋柳城女子大学, こども学部, 研究員 (20759592)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 昭和20年代の保育の実際 / 神奈川県の保育カリキュラム / 名古屋市の幼稚園カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)収集した資料の分析作業 2020年度末までに40園・施設から86編のカリキュラム関連資料を収集したので、それらを、時代区分として①昭和20年代前半期(S.20~25まで)、②昭和20年代後半期(S.26~29)、30年代初期(S.30・30)として、(1)作成者(自治体、任意団体、園独自、その他)、(2)カリキュラムの種類・形式(年間、月間、週案、その他)、(3)内容・項目(戦前の5項目に近い、保育要領の12項目に近い、31年の6領域に近い、その他)という研究仮説の分類法に従って、解読・検討した。結果、自治体作成が8編、任意団体作成が5編、園独自の作成が73編であった。種類・形式については、年間が11編、月間が28編、週案が28編、その他20編、不明10編であった。内容・項目では、5項目に近いもの10編、12項目に近いもの27編、6領域に近いもの11編、その他園独自によるものが29編、不明10編であった。資料の中には、完全でないものも含まれており、すべてが仮説によって分類できたわけではないが、傾向としては、20年代前半期では、保育内容等が戦前の5項目と12項目が半々であり、後半期では12項目に近いものが多くなっているという傾向が明らかとなった。しかし、園独自の内容・項目を立てているところも、それと同じくらいあるということが明らかとなった。 (2)研究会については、原則毎月1回の研究会を開催し(年間10回)、上記の分析作業と、学会発表及び研究論文の検討を行った。 (3)研究成果の公表については、日本教育学会第79回大会(2020年8月、神戸大学:オンライン)において、「昭和20年代の保育カリキュラムづくりに関する実証的研究(2)ー神奈川県の場合―」を発表し、同タイトルで「名古屋柳城女子大学研究紀要創刊号」(2021年2月刊行)に論文掲載した(25-45頁)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、すべての資料を入手し、その分析作業を行い、研究のまとめ(報告書)を作成する予定であったが、4月以降新型コロナウイルス感染拡大の影響により愛知県は再度にわたる緊急事態宣言発出されたことから県外出張が不可能であった為、2019年度に約束していた鳥取県、富山県、石川県等の幼稚園・保育所への訪問調査が不可能となった。結果、それらの資料が得られないままに、それ以外に郵送等で入手できた資料や科研の年度以前に入手していた資料を加えることしか出来なかったことが、「遅れ」の最大の理由である。 併せて、アルバイトによるデータ処理も、研究室への入室制限等の理由もあって、若干、遅れている。しかし、学会発表や論文掲載は計画通りできたので、「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)研究の公表について、2020年度の成果を日本教育学会第80回大会(2021年8月、筑波大学、オンライン)において発表し公表する計画で、「昭和20年代の保育カリキュラムづくりに関する実証的研究(3)ー3師範学校附属幼稚園の場合ー」というタイトルですでに申し込みをしている。内容は、昭和20年代前半期に「保育要領」(S.23)の影響を受けながら立案されたカリキュラムについて、明石師範学校、徳島師範学校、奈良女高師の附属幼稚園を対象に取りあげる。そのため、年度の前半は、これら3つのカリキュラムづくりに関する研究を手掛ける。そして、論文掲載は、名古屋柳城女子大学研究紀要第2号を予定している。 (2)年度の前半後半を通して、収集したカリキュラムについて、総合的な分析作業を行い、その結果をデータ化する。 (3)未訪問の園には、コロナが収まり可能となったら再度、資料収集のための訪問調査を行う。 (4)年度の後半には、研究成果のまとめの作業に着手する。 (5)アルバイトを雇い、データの入力を依頼する。
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Causes of Carryover |
(1)訪問調査を計画していた10か所の園への訪問が、不可能となったため、その旅費として計上していた約20万円が使用できなかった。(2)その他に、学会発表のための資料収集を予定していた大学や公共図書館等への出張が出来なかったため、その経費約10万円が余った。(3)コロナ感染拡大により、すべての研究が若干遅れたため、最終年度の研究成果報告書が完成できていないため、アルバイトを含めその費用30万円が未使用となっている。 以上の理由から、2020年度に計上していた予算が大幅に未使用となった。 研究期間の1年延期を提出したので、今年度は(1)~(3)を実施して予算を有効に使用して、本研究のまとめを作成していく。学会発表に関しては、オンラインの為、出張旅費は費用であるが、定例の研究会を開催して、研究分担者の交通費等に充填する。
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Research Products
(2 results)