2018 Fiscal Year Research-status Report
保育者としての洞察力と応答性の育成:養成校と保育現場による評価ルーブリックの開発
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18K02506
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Research Institution | Nagoya Keizai University |
Principal Investigator |
多川 則子 名古屋経済大学, 人間生活科学部教育保育学科, 教授 (90435298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関谷 みのぶ 名古屋経済大学, 人間生活科学部教育保育学科, 准教授 (90369570)
堀 美鈴 名古屋経済大学, 人間生活科学部教育保育学科, 特任教授 (10793391)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 洞察 / 応答性 / 保育者 / ルーブリック / 愛着 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、学力や意欲の多様な学生を、子ども一人ひとりの育ちを支える保育者としてどのように養成するかという問題意識の基、特に、初学者にとって困難である保育環境や子どもの意図に気づくこと(洞察力)と、洞察に基づき応答的な対応をとること(応答性)の獲得過程を検討することである。 初年度である2018年度においては、(1)保育者養成段階で実践された課題等の分析を通じ、洞察力と応答性の獲得過程を検討すること、(2)現職保育者の実践記録(録画)を用い、研修や振り返りを通して洞察力と応答性を同定することが計画されていた。(1)については、これまで、実習指導を軸に短大2年間の連続した保育者養成を行うなかで(多川・関谷、2016)蓄積してきた、学生の課題や成果物などの整理を行った。配置図課題、保育ボランティア課題、エピソード課題、実習の振り返り課題、自己成長曲線等があり、これらについて電子データ化を行った。(2)については、新任保育者支援の目的も含み、着任1年目の保育者の保育実践の撮影と面談の実施、現職についてから洞察力と応答性が最も試されると考えた2歳児保育を中心に保育実践の撮影を行った。 保育実践の撮影は本科研だけでなく、複合的なねらいで実施している。そのなかから、新任保育者支援に関わるテーマでの論文執筆、ビデオ研修に関する学会発表も行っている。 初年度は、データや資料収集に留まり分析考察にまで届かなかった。そのため、2年目である2019年度は計画を修正し実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の本務校業務の問題(学科主任委嘱)、資料整理に予想以上の時間を要したことから、計画よりもやや遅れる状況となった。次年度は、研究会の開催日時の工夫、研究計画の修正をし、実施していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
保育者養成段階における検討については、テキスト分析により、洞察の広がりや深まりと応答性の程度について、実習経験(学年進行)による系統的な変化があるかについて検討する。また、現職保育者における検討については、撮影された現職の保育実践から、子どもの欲求と養育者の思いのずれが顕著になる場面を選択し、欲求のずれをどのように調整するかを分析する。それによって、現職の洞察力と応答性について検討する。また、洞察力と応答性を身に付けたと思われる保育者へのインタビュー調査も計画している。そして、最終年度においてルーブリック評価を作成する。
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Causes of Carryover |
初年度は、データや資料収集に留まり分析考察にまで届かなかったため、予定より使用額が少なかった。2年目は、データ分析ソフトウェアの購入、データ入力業務委託、追加データ及び資料収集のための実施費用、文献購入、学会参加費、等に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)