2018 Fiscal Year Research-status Report
韓国における幼児教育・保育の現状と発展方向に関する調査研究
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18K02515
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
丹羽 孝 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 名誉教授 (10113325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
韓 在熙 四天王寺大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (50619400)
新井 美保子 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (60189975)
大村 眞依子 (渡邉眞依子) 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (60535285)
矢藤 誠慈郎 岡崎女子大学, 子ども教育学部, 教授 (70259571)
永井 靖人 愛知みずほ短期大学, その他部局等, 准教授(移行) (80551556)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 韓国幼児教育 / オリニジップ / 標準保育課程 / ヌリ課程 / 幼児教師養成制度 / 保育教師養成課程 / 幼児教育発展計画 / 幼児教育革新方案 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.10月、12月時に韓国訪問調査、招待講演を行った。訪問調査は韓国国務総理傘下育児政策研究所を訪問し、白仙姫所長、ムンブギョン国際研究室長他3名の研究員と研究交流した。主題は日本と韓国の国家水準教育課程及子ども子育て支援新制度に関してであった。 ついで韓国教育部を訪問した。そこでは幼児教育政策課ゴンチヨン課長他研究員と面談した。主題は2018年に策定された「幼児教育発展基本計画(2018-2022)についてで、プレゼンテーションしていただき意見交換した。また丹羽は日本保育学会国際交流委員であるので、韓国幼児教育学会(鄭美羅会長)の5人理事の先生方と面談し、韓国幼児教育研究の現況及び、日韓幼児教育研究交流の今後について意見交換した。施設訪問としては梨花女子大学校付属オリニジップ及び附属幼稚園を訪問し、ウオムジョンエ園長(梨花女大教授)と研究交流した。 2.10月23日、韓国政府派遣の日本の幼児教育政策実施状況調査のため、日本を訪問された。そこには韓国教育部幼児教育政策課研究官(キムスジョン氏)、育児政策研究所(キムウンヨン研究委員)が調査対象地域として東海地方を設定され、名市大も訪問された。丹羽は教育部の依頼でアドバイザーを担当し、私立幼稚園法人化問題について、ブリーフイング及び資料提供を行った。また共同研究者も協力し、研究交流した。 3.韓国幼児教育学会理事会との協議結果、韓国教員大学校での外国人研究者招聘講演が企画され、丹羽が実施した(12月1日)。また、それとの関連で、2019.10韓国幼児教育学会学術大会に汐見稔之日本保育学会長の招聘講演が実施されることになった。 4.それとの関連で、2019年5月開催の日本保育学会第72回大会の「国際シンポジウム」の主題を、「ヌリ課程改定の内容・過程と特徴から考える」とし、白仙姫育児政策研究所長招聘が決定した。(5月4日、成功裏に実現)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.9月時、韓国訪問調査を実施他。折しも韓国は2018-2022年「幼児教育発展基本計画」(教育部)、「第3次中長期保育基本計画」策定時であり教育部及び育児政策研究所訪問によって、最新資料と情報を入手することができた。 2.くわえて教育部幼児教育政策課訪問、育児政策研究所訪問によって、以後の相互研究交流ネットワークの基礎が形成された。その一環として10月時には幼児教育政策課課員及び育児政策研究所研究委員一行が名古屋を訪問され、私立幼稚園法人化策とういて、共同研究者と研究交流及び情報提供した。この際丹羽は教育部から日本の幼児教育政策に関するアドバイザーを委嘱された。 3.現在韓国は国家水準幼児教育課程の改訂作業中であり、その過程に関する多くの資料の入手ができた。それによってまた、日本保育学会第72回大会の国際シンポジウムの主題を、韓国国家水準教育課程改訂」に設定し、育児政策研究所長招聘を決定した。これは、禁煙にはない大きな成果といえる。 4.ただ、研究計画の実施に際しては、一点問題点を残した。それは急な研究代表者の所属変更に伴う受け入れ事務手続きに時間がかかり、研究の実質的なスタートが9月時になったことである。このことにより、一部の共同研究者の訪韓調査参加が困難となった。結果として研究費の未使用が発生した点は、重大な問題点である。次年度に葵手は、基調根研究費支援の効果的使用に最善を尽くすことが、緊要である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.2019年7月1日に、新しい韓国国家水準教育課程(ヌリ課程)が公示される。本研究ではこの改定動向、改定内容、実施過程に注目し、最新の情報の入手に努めると共に、その成果の拡散に努める。具体的には日本保育学会国際交流委員会ホームページに掲載する作業をおこなう。 2.10月開催予定の韓国幼児教育学会秋季大会へ、本研究会のは岩田氏で、汐見稔之日本保育学会長招待講演が、予定されている。これに併せて、私たちも研究発表を計画し、日韓幼児教育研究交流の発展に寄与したいと考えている。 3.本年dの共通研究主題として、幼児教師養成政策(幼稚園教員養成教育課程、保育者養成教育課程)研究を行う計画である。折しも韓国は本年度全国の幼児教育教員養成課程を有する大学への第三者評価が実施されることになっている。本研究ではその情報も入手し、その成果分析も試みる。 尚幼稚園教師養成課程研究では韓国教員大学校、梨花女子大学校、徳成女子大学校、中央大学校を対象として研究する。保育教師養成については延世大学校、梨花女子大学校、淑明女子大学校、釜山大学校を対象として実施する。 4.研究成果の公開促進 本年度については日本保育学会第73回大会(奈良教育大:2020.5)での研究発表、各共同研究者所属大学紀要への論文発表へ積極的に取り組むこととする。
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Causes of Carryover |
1.共同研究者中丹羽孝、新井美保子、韓在煕配分の研究費については,適正に執行され、先に示した実績を得た。しかし、矢藤誠慈郎、渡邉真依子、永井靖人については研究費の執行が名されなかった。その理由の位置は、研究代表者の所属変更に伴う名市大の受け入れ開始が9月時となり、適切な時期での韓国訪問調査を実施することができなかった。また、科研費研究が初めてと言うこともあり、適切な研究費使用について認識が不足していた。代表者としては極めて遺憾なことであり、以後、適切な執行をするよう厳しく点検するものである。 2.本年度はヌリ課程改定に伴う訪問調査、韓国幼稚園教員・保育教師養成課程研究のための訪問調査(ソウル、チョンジュ、釜山)が計画されていて、多くの経費の使用が必要である。 3.昨年の丹羽の招待講演を契機として、韓国教員大学校におけるリレー講演の計画を立案している。6人の共同研究者が各一回教員大学校を訪問し、大学院生お予う゛ぃきょういんたいしょうに(約100名程度)、日本の幼児教育現況と課題、各人の研究内容について講演し、積極的な研究交流を図る計画がある。
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Research Products
(5 results)