2022 Fiscal Year Research-status Report
グローバル時代の異文化間コミュニケーション力育成のための東アジア共同研究体制構築
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18K02523
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
宮薗 衛 新潟大学, 人文社会科学系, フェロー (00209909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相庭 和彦 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (00222464)
雲尾 周 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (30282974)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | グローバリゼーション / 異文化間コミュニケーション力育成 / 東アジア共同研究体制構築 / 国内・海外のネットワーク充実・整備 / 日本と韓国の大学院教育研究交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,「グローバル時代の異文化間コミュニケーション力育成のための東アジア共同研究体制構築」をテーマとして,2018年度から中国・北京師範大学珠海校区及び付属実験学校,韓国・ソウル教育大学校の教育研究者・教育実践者との直接的な研究・教育交流活動を通して,東アジア共同研究体制の構築を目標として取り組んできた。2020年初めからの新型コロナウイルス感染症パンデミック現象のため,国内外での対面による研究活動が大きく制約を受けた。中国・韓国の教育研究者・教育実践者との直接的な研究・教育交流を中心的活動とする本研究は,大きく制限されてきた。そのために研究活動を2022年まで延長した。 2022年度前半はコロナ禍のために,直接的な国際研究交流・教育交流活動はできなかったが、後半には以下の活動に取り組み、成果を上げることができた。 第1の成果は,前年度(令和3年度)実施状況報告書の「今後の研究の推進方策」に述べたように,東アジア共同研究体制構築のための国内・国外ネットワークの充実を実現したことである。具体的には,琉球大学教職大学院教員2名が,研究協力者として本研究に参加し,新潟・沖縄という異なる歴史的文化的背景や異なる自然環境を有する2つの国内地域を含めて、中国・韓国との共同研究体制を構築した。 第2の成果は,2022年11月に新たに構築された国内外の研究ネットワークを基に,新潟大学・琉球大学教員と大学院生が韓国・ソウル教育大学校を訪問し,当大学校の多文化教育を専門とする研究者と国際教育研究交流会を開催し,多文化教育研究交流と大学院生の教育実践研究交流を実現したことである。 第3の成果は,本研究の分担者や研究協力者等との共同で,「グローバリゼーションと教育Ⅲ― 国境を学習すること ―」『新潟大学教育学部紀要』第15巻,第2号,127-148(2023.2)を纏めたことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前記のように本研究は,「グローバル時代の異文化間コミュニケーション力育成のための東アジア共同研究体制構築」をテーマとして,2018年度から中国・韓国の教育研究者・教育実践者との直接的な研究交流を通して,東アジア共同研究体制の構築を目指してきた。しかし、2020年当初からの新型コロナウイルス感染症パンデミック現象のため,2021年度及び2022年度前半には中国・韓国との直接的教育研究交流ができず,教職大学院授業におけるオンライン導入による中国・北京師範大学珠海校区及び付属実験学校との研究・教育実践交流に取り組んだ。そのような状況の中で,2022年度後半には,以下の活動に具体的に取り組んだ。 (1)本研究に琉球大学教員が研究協力者として参加することにより,国内と国外を繋ぐ新たなネットワークによる東アジア共同研究体制の充実を図った。 (2)中国・北京師範大学珠海校区と新潟大学教職大学院をオンラインで繋ぎ,遠隔授業システムによって教職大学院において中国の研究者による講義を実施した。また,研究協力者の琉球大学教員による研究成果を踏まえた講義を実施した。 (3)韓国・ソウル教育大学校において多文化教育研究交流と大学院生による教育研究交流会を開催した。 (4)共同研究者・研究協力者等と共同で「グローバリゼーションと教育」をテーマとする第3号の研究報告として,今年度は「国境の学習」をサブテーマにして共同論文を纏めた。以上のように,新型コロナウイルス感染症感染拡大状況による制約の中でも,2022年度後半には複数の活動に取り組み成果を上げることができた。中国の大学・学校との直接的な教育研究交流はできなかったため次の課題が残っているが,2022年度に向けて軌道修正し設定した目標をほぼ達成できた。よって「 (2)おおむね順調に進展している」と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
以上のような研究状況を踏まえて,研究期間を2023年度まで延長して,以下の4つの方向・展望と課題をもって本研究に取り組み,本研究の総括・まとめを行う。 (1)教職大学院における授業の一環として大学院生・教員が中国等の大学・学校との教育研究交流を実施し(新型コロナウイルス感染症感染の状況によってはオンラインでの交流として実施し),その成果を振り返りレポートやアンケート等により検証する。 (2)研究協力者である琉球大学教員との今後の教育研究交流ネットワーク充実の方向・方策について検討・協議する。 (3)公益財団法人新潟県国際交流協会と県内5大学及び県内小中高校等との間で共同実施されている「国際交流ファシリテーター養成事業」に継続参加して,異文化間コミュニケーション力育成研究の知見を生かす。 (4)以上の研究を踏まえて,「グローバリゼーションと教育」をテーマとする第4号の共同研究論文として纏めて公表する。
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Causes of Carryover |
本研究では,「グローバル時代の異文化間コミュニケーション力育成のための東アジア共同研究体制構築」をテーマとして,2018年度から中国・韓国の大学・学校等の教育研究者・教育実践者との直接的な研究・教育交流活動を通して,東アジア共同研究体制の構築を目標にしてきた。しかし,新型コロナウイルス感染症が終息せず,2022年度は韓国・ソウル教育大学校訪問による研究交流・教育実践交流のみが実施でき,中国との国際交流ができなかった。一方で,国内の他地域の研究者も参加する国内・国外の共同研究ネットワーク構築へと発展させることができた。本研究の目標を達成するために,残りの予算を2023年度に繰り越すことにした。主な使用計画は以下の通りである。 1つめは,研究のための国内外旅費である。2023年度は新型コロナウイルス感染症による渡航制限が緩和もしくは撤廃されるとの見通しをもって,中国・北京師範大学珠海校区及び付属実験学校への直接訪問による研究交流・教育交流を実施する予定である。また,国内のネットワーク充実の方策のために,琉球大学教員との研究交流を予定している。これらの国内外旅費として予算を計上してある。 2つめは,研究室使用料である。本研究遂行のために新潟大学教育学部研究室を借用している。その使用料として予算を計上してある。
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Research Products
(2 results)