2020 Fiscal Year Research-status Report
生徒参加による主権者教育に関する日米仏独の比較研究
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18K02544
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
宮下 与兵衛 東京都立大学, 大学教育センター, 特任教授 (50714804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 雄一 大阪国際大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (20791958)
荒井 文昭 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (40244404)
柳澤 良明 香川大学, 教育学部, 教授 (40263884)
大津 尚志 武庫川女子大学, 学校教育センター, 講師 (40398722)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 主権者教育 / シティズンシップ教育 / 生徒参加 / 開かれた学校 / 三者協議会 / 民主主義教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、生徒参加による日米仏独の主権者教育の国際比較研究を行うことで、研究実施計画ではフランスの学校(パリのジャン・ゼ高校とテュルゴー高校)とドイツの学校(イエナのクルトゥラヌーム学校とカレイドスコープ・イエナ学校とトウニベルザーレ学校、フランクフルトの南部統合型総合制学校)とチューリンゲン州文部省を訪問して共同調査することを2020年3月に予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大のために不可能になり、2020年度に延期して実施時期を探ってきたが引き続き不可能であった。この調査は2021年度に実施する計画である。 研究メンバーによる各国のシティズンシップ教育の研究は、大津がフランス、柳澤がドイツ、古田がアメリカ、さらに荒井がニュージーランドを担当して研究を進め、教育誌などに発表した。日本の主権者教育を担当している宮下は前年に引き続き東京の大東学園高校などの調査を行い、米独仏の教育との比較研究を行い、教育誌に発表した。研究メンバーで、全国の学校の管理職が購読している『月刊高校教育』に本科研調査研究の内容を連載中で、現場の教育に研究成果を還元している。今までの研究で明らかになったのは、日本の主権者教育では社会科、公民科による政治的教養の知識は教授されているが、知識を使って選挙の投票行動をするなどの力になっていないこと、米仏独の教育では、知識とともに、行動できるための力を生徒の学校運営への参加や社会参加によって体験的に身に着けさせていることである。こうした教育が日本の主権者教育の課題であるということである。 2021年度に科研年度を延長していただき、前年度にできなかったフランスとドイツの学校調査を共同で実施して、日本の主権者教育との比較で、日本の主権者教育の課題をさらに明らかにする計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染が調査予定のフランスとドイツで続いていて、調査対象の学校が受け入れ不可能のため予定の調査ができなかった。各国の教育の理論研究は進んでいるが、現地調査ができないため研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度にコロナウイルスによって実施できなかったフランスとドイツの共同調査を実施する計画である。 各研究メンバーは担当する国の主権者教育についての研究をすすめ、日本の若者の選挙での低投票率などの主権者意識を改善していく主権者教育についての研究をすすめる。 学会や研究会での発表、また学会誌や現在連載中の学校管理職向けの教育誌などに研究成果を発表していく。 調査対象国が本年度もコロナウイルス感染によって調査できない場合は、科研の再延長をお願いする次第である。
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Causes of Carryover |
本年度に計画していたフランスとドイツの学校調査が新型コロナウイルスの感染拡大により一年間不可能となり、予算を使用することができず、延長申請をした。本年度に繰り越した予算を使ってフランスとドイツの学校調査をして、研究テーマである日米独仏の比較研究を行う計画である。
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Research Products
(16 results)