2018 Fiscal Year Research-status Report
Study on development of teaching method to nurture OECD compliant type competency by extracurricular activities
Project/Area Number |
18K02563
|
Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
林 尚示 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (10322124)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 一郎 獨協大学, 国際教養学部, 教授 (80200492)
鈴木 樹 鎌倉女子大学, 教育学部, 教授 (00410027)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 特別活動 / 学級活動 / 小学校 / OECD / 小金井市 / 評価 / 小金井第二小学校 / 東京都 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究としては小学校、中学校、高等学校の特別活動全体について指導内容、指導方法、授業評価のモデル構築を目指している。しかし、今回は小学校に絞った。小学校段階は義務教育の出発の段階であり、この段階での指導がその後の学習に大きく影響すると考えて、小学校段階を選択している。具体的には東京都の小金井市立小金井第二小学校の学級活動の実践を事例として、小学校特別活動の学級活動における授業評価に関する研究を進めた。 その結果、OECD準拠型コンピテンシーの一部について、質問紙により測定できることが分かった。特にキーコンピテンシーと文部科学省の資質・能力について、小学校の段階で活用可能な質問紙を作成した。そして、授業観察、事前事後質問紙調査の結果、授業映像とトランスクリプトの確認、授業実践者である担任教師・校長・複数の大学教員による協働型の事後の振り返りといった一連のパッケージによる授業評価の方法について実験ができた。OECDのコンピテンシーの育成という視点からは、他者を理解するための認識的(epistemic)な知識と自主的に行動するという個人的(personal)な態度・価値の向上が確認できる学級があった。文部科学省の資質・能力の柱からは,知識及び技能の一部と学びに向かう力・人間性等で向上が確認できる学級があった。「学習指導要領」の資質・能力育成の視点からは、人間関係形成の視点について事前事後の比較で向上が確認できる学級があった。これらの成果は、招聘された国際会議、国内の学会、大学の紀要などで公表することかできた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の研究成果については、論文形式で、『東京学芸大学紀要総合教育科学系Ⅰ』に発表し、CiNiiによる研究者等への情報発信ができている。 また、林尚示、鈴木樹、安井一郎、眞壁玲子らによって、台湾の国立嘉義大学での口頭発表で、「日本の小学校の特別活動におけるOECD準拠型コンピテンシーの育成過程―小金井第二小学校の学級活動を事例として―」と題して、2018 International Conference on Educational Issues and Reformation of the E-Generation(Taiwan,Chiayi)で発表している。さらに、林尚示、安井一郎、鈴木樹、眞壁玲子によって、「特別活動でOECD準拠型コンピテンシーを育成するための指導方法の開発に関する研究(1)―小金井第二小学校の学級活動を事例として―」と題して、武蔵野大学で開催された日本特別活動学会の第27回東京大会で自由研究発表をしている。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、東京都の小金井市立小金井第二小学校を事例として研究を進める。研究協力者の前校長は現在は他の教育研究機関に転出している。そのため、教育研究機関の専門研究員の立場から研究に関わっていただく。後任の校長先生とも調整ができ、今年度も年に3回学級活動を収録できるととになった。各回で事前事後調査も実施できることとなった。実施するのは小学校第4学年の3クラスである。昨年度の3学期と同様にThink-pare-shareやOne minute paperによるリフレクションなどを導入してアクティブラーニングが教育成果に与える効果も測定する。また、今年度は、3クラスについて手法を少しずつ変えて授業実践を展開し、クラス間比較を実施してみたい。 研究分担者の安井一郎教授は振り返りのインタビューによって授業者が意図していた指導方法と児童への効果の見とりを担当する。研究分担者の鈴木樹教授は、質問紙調査による量的な分析を担当する。研究代表者の林尚示は、研究計画の推進と研究をまとめるための研究活動のマネジメントなどを担当する。本成果については沖縄大学で実施される日本特別活動学会での発表、東京学芸大学の紀要などを主たる発表の場と考えている。隔月に研究会議を開催し、東京学芸大学大学院の学生にも参加してもらい、研究の継続的な推進をはかっていく。
|
Causes of Carryover |
研究分担者の内1名に配分した予算について、研究分担者の本年度の節約により、予算を次年度に回すことができるようになった。次年度の計画が予定よりも予算を要するものとなったため、予算不足を考慮しての予算の繰越しである。 物品費については、集音用マイク等の収録機器の充実が見込まれている。旅費については、今年度発表を予定している日本特別活動学会の大会が沖縄大学で開催されるため、旅費の増加が見込まれている。人件費・謝金については、協力していただく小学校の教師数の増加が見込まれている。また、収録する授業数が増えることにより収録作業を担当する学生アルバイトへの謝金の増額が見込まれている。さらに、授業記録数が増えることにより、文字起こし費用も増加が見込まれている。
|