2018 Fiscal Year Research-status Report
「チーム学校」理念のもと、教員の主体的学びを促す校内研修システムの構築
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18K02598
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
西川 潔 関西福祉科学大学, 教育学部, 講師 (90785536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 博文 筑波大学, 人間系, 教授 (20212152)
佐古 秀一 鳴門教育大学, その他部局等, 副学長・教授 (30153969)
大脇 康弘 関西福祉科学大学, 教育学部, 教授 (60135762)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | チーム学校 / 校長のリーダーシップ / 教員の主体的学び / 校内研修システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究テーマ「『チーム学校』理念のもと、教員の主体的学びを促す校内研修システムの構築」を図るためには、まずは校長のリーダーシップのあり様が重要となる。そこで、全国の小・中学校1000校を抽出して、各学校の校長先生方に校長のリーダーシップについての「意識」と「実際の行動」についてのアンケート調査を実施した(回収率27%)。 アンケート結果を因子分析したところ、校長の行動については①「英雄型」②「協働型」③「責任転嫁型」④「支援型」⑤「対極型」の5因子に分類することができた。さらに「英雄型リーダーシップ」の校長が「協働型リーダーシップ」の校長よりも平均値の高い項目は次の4点であることが明らかになった。①「校長としての自分を押し出さないようにして学校経営を行っている」②「学校経営では校長の強い統制力を発揮している」③「校長として教職員をサポートするという立場を重んじて職務を遂行している」④「経営資源の活用のためには、様々な情報に基づく分析を行うよりも学校の抱える実態そのものを見極めた学校経営を行っている」の4項目であった。また、「英雄型リーダーシップ」の校長がそうでない校長に比べて、行動傾向の低い項目の一例としては①「教職員の意見や考えと食い違っていた場合、校長としての考えを最優先して学校経営を行っている(校長としての考えを最優先していない)、②「地位が高くなるにつれて人材としての重要性も増し、その最たる存在が校長であるとの認識のもと、学校経営を行っている(最たる存在は校長ではない)、③「学校経営では校長が人的資源を含む経営資源を配分し、様々な情報に基づいて分析し判断することが重要であるという認識のもと、職務を果たしている(経営次元を配分し、様々な情報に基づいて分析し判断することは重要ではない)等であった。 以上のような結果を踏まえ、今後、さらに本研究テーマに迫っていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度、全国の小中学校の校長を対象にリーダーシップについてアンケート調査したことで、我が国の校長のリーダーシップについての意識と行動の傾向を一定読み取ることができた。先行研究をみても数人の校長の一日の行動を追いかけて分析するエスノグラフィ研究や教員の立場から見た校長のリーダーシップに関する研究等は散見するが、今回のように直接、全国の1000人の校長にリーダーシップについて調査する研究は管見の限り見られない。今回の調査結果は教職員の主体的学びを促す校内研修システムを構築する上においての校長のリーダーシップのあり様について考察する貴重な資料になると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は校長のリーダーシップが教員の主体的学びを促す校内研修システムとどのように結びついているのか、またどう関連付けることが重要なのかについての研究を深めていきたい。 そのために、これまでの校長のリーダーシップ研究の動向をレビューするとともに、教員の側から見た校長のリーダーシップについての調査研究の実施も考えている。 これらを踏まえて、教員の主体的学びを促す校長のリーダーシップについて、校長自身の意識と行動、そして教員サイドから見ての校長のリーダーシップの捉え方の両面から研究を深めていく予定である。
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Causes of Carryover |
人件費・謝金で使途金がまったくなかったことと、海外を含む遠隔地への研修参加がなかったため。 翌年度については、アンケート調査実施に伴い、人件費が発生する予定である。また、校長のリーダーシップについては特にアメリカでの研究が進んでいるため、そちらでの研修参加も考えている。
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Research Products
(5 results)