2019 Fiscal Year Research-status Report
次代の郷土を創る人材に求められるコンピテンシーベースの歴史教育カリキュラムの開発
Project/Area Number |
18K02612
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
兵藤 清一 愛媛大学, 教育学研究科, 准教授 (10782625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮薗 衛 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (00209909)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コンピテンシー / 資質・能力 / カリキュラム開発 / 歴史教育 / 地方創生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、義務教育段階の歴史教育におけるカリキュラム及び授業を研究対象とし、地方創生の観点から、地域素材(郷土の先人の業績や優れた文化遺産等)を 活用し、次代の郷土を創る人材に求められるコンピテンシー(competency: 資質・能力)を明確にした歴史教育カリキュラムモデルの開発を目的としている。 2019年度は、コンピテンシーに関する研究の整理・分析を基に、コンテンツとコンピテンシーとの関係を、緊密に結び付きと相互依存的かつ促進的な関係と捉え、「コンピテンシー・ベース」のカリキュラムでは,その基盤を,これまでのようにコンテンツに関する個別知識の理解にとどめるのではなく,それらの知識(コンテンツ)とコンピテンシーを結び付け,調和的に融合した「総体としてのコンピテンシー(Holistic Competencies)」の育成とすることであるとした。その上で、「コンピテンシー・ベース」のカリキュラムを、その本質的な意味・意図を明確にするために、「結び付いたコンテンツとコンピテンシー」(「総体としてのコンピテンシー」)の育成を基盤としたカリキュラム(Curriculum Based on Fostering Connected Content and Competency)(以下,頭文字をとって,CBFCCC)と定義することとした。さらに、知識の構造モデルと、その中で五つに分類した知識について,その特徴を明確化し、その五つの知識に即して,育成を目指すコンピテンシーを具体化・明確化し,密接に結び付け,調和的に融合した「総体としてのコンピテンシー」=「結び付いたコンテンツとコンピテンシー」の内的構造モデル,ひいては社会科における社会認識体制を含む公民的資質の基礎の内的構造モデルを示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、次代の郷土を創る人材に求められるコンピテンシー(competency: 資質・能力)を明確にした歴史教育カリキュラムモデルを開発することであ る。 研究2年目の2019年度は、昨年度に引き続いての理論研究と調査研究の段階であり、主に次代の郷土を創る人材に求 められるコンピテンシーの要素について分析し、カリキュラムモデルの枠組みを整理・分析を行った。その成果として、コンテンツとコンピテンシーが調和的に融合した「総体としてのコンピテンシー」の内的構造モデル,ひいては社会科における社会認識体制を含む公民的資質の基礎の内的構造モデルを示すことができた。 これらの理論研究、調査研究により、次年度以降の研究を進捗させるための基盤が築けていることから、研究はおおむね順調に進展してると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、引き続き、次代の郷土を創る人材に求められるコンピテンシーについて、学校関係者及び地域関係組織(自治会、商 工会、JA、NPO、企業、行政等)にアンケート調査し、地域(社会)の多様な考えを収集・整理・分析するとともに、地域素材としての歴史的事象を基に、単元を選択する。その上で、「総体としてのコンピテンシー」の内的構造モデルと、カリキュラムモデルの枠組み、さらにはアンケートの整理・分析を基に、コンピテンシーを具体化した発展性・系統性のある単元組織(配列)の分析・検討を行い、カリキュラムモデルを開発する開発研究を行う。 ただし、勤務地が変わったことから、研究内容に関して微調整が必要になっているので、その点に留意しながら研究を推進していく。
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