2019 Fiscal Year Research-status Report
小学校における学級集団の状態に適合した授業モデルの開発
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18K02665
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
粕谷 貴志 奈良教育大学, 教職開発講座, 教授 (10405079)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 集団状態 / 授業構成 / 指導行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き,集団状態の把握と授業構成および指導行動の観察,記録をおこない整理を進めた。一部の学級については,6月~12月まで継続して,心理検査と観察,担任への聴き取りから集団状態を把握し,授業観察と記録をおこなった。その結果,学級集団の状態の変化に応じて,授業構成と指導行動にも変化が見られ,その適合性が集団育成の要因となることが考察された。 また,児童の実態によっては,日常の指導との関連で授業における指導行動を理解する必要があり,指導行動の整理の方法の再検討をおこなった。その結果,指導行動の整理と理論的背景の考察には,児童の心理面・社会面・身体面の発達の視点も含めた理解が必要であることが見出された。 さらに,これまでの検討結果から得られている集団状態に応じた授業構成と指導行動の知見をもとに,学級担任へのコンサルテーションをおこない集団状態の変化を検討した。その過程からは,集団状態に適合する授業構成と指導行動を具体的な実践として授業の中で遂行することに結びつける方法を検討することが課題として浮かび上がった。コンサルテーションにおける適切な伝え方,具体的な授業構成と指導行動の遂行に結びつく資料の工夫や提示の方法について検討を進める必要がある。 これらの成果の一部は,調査協力校での教職員対象の研修や学会の年次大会でのシンポジウムにおいて公表した。また,実態に応じた集団育成に関する知見については,令和2年6月に刊行した著書(「かかわりづくりワークショップ」図書文化)の編集の参考とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
集団状態に応じた授業構成と指導行動について,仮説モデルを精緻化するために必要となる集団育成につながる適切な指導についての資料が不足している状態である。集団育成に成功している教師の授業構成,指導行動についての資料収集,整理が必要である。 また,仮説モデルの妥当性の検証において,適切な授業構成,指導行動の遂行に向けた教師の実践の変容を促す方法の検討についても課題が残っている。
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Strategy for Future Research Activity |
継続して,学級集団の把握と授業構成,指導行動の資料を収集し,整理を進めるとともに,現時点で得られている知見にもとづいて,授業づくりと集団育成のコンサルテーションをおこないながら,仮説モデルの妥当性の検証を進める計画である。 新型コロナウイルス感染拡大の影響で,学校への訪問調査ができず,資料の収集とコンサルテーションの機会が得られない可能性がある。状況をみながら訪問が可能な学校において調査と介入を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で,令和2年3月に参加を予定していた学会が中止となったために予算を執行できなかった。次年度の研究調査旅費,学会参会費として執行する計画である。
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