2018 Fiscal Year Research-status Report
大学における国際系組織－大学改革と国際化推進を目指す中での現状と課題－
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18K02725
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
大林 小織 大阪大学, グローバルイニシアティブセンター, 准教授 (50791266)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 大学の国際化 / 組織構造 / ガバナンス / 大学改革 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、文献調査と対象の絞り込みを行うための一次調査を実施した。
文献調査においては、経営学上の組織に関する代表的な書物（P.F. Drucker, E.H. Shein, J.P. Kotter, A.D. Chandler他）を中心に読み進めた。また、大学改革、ガバナンス体制についても国内および欧州の関連書籍および論文を精査した。欧州の現状を確認するため、欧州を中心とした世界各国から主として国際系の教職員が集うEuropean Association for International Education (EAIE)の年次総会に参加し、セミナーや個別面談を通して欧州の国際オフィスおよびガバナンスの傾向を把握した。欧州の国際オフィスは、これまでの学生の派遣受・受入を所掌の中核とした組織体制から、包括的な国際化（comprehensive internationalisation)に取り組むための体制づくりを整備しつつあり、組織の機能強化へ向けてシフトしていることが大きな流れとして確認できた。また、一部の大学においては、国際オフィスとは別に戦略企画を担う組織を設置しており、機能分化を図っている事例も確見られた。今後、データや文献調査などからこれらの傾向の裏付けを行い、欧州の個別機関調査の準備を進める。
加えて、高等教育学会へ参加し関連研究に関する情報収集を行うとともに、後年度の本調査に向けた準備として国内2大学を訪問して一次調査を実施した。まずは各大学において複数の実務者に対して国際系組織の構造、国際化のガバナンス体制、意思決定プロセスおよび課題に関して聴き取りを行った。それぞれに見られた現状および課題については双方の大学に共通しており、本調査の設計や分析のポイントを得ることができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献調査については、経営学上の組織および組織開発、マネジメントなどに関する代表的な書物、また、研究対象である大学の経営、ガバナンス、大学全体の組織に関する論文など中心に読み進め、これらの文献から得られた情報を整理しつつある。また、高等教育学会に出席し、関連研究の情報収集を行った。加えて、翌年度以降の本調査に向けた一次調査として、我が国の国際化に関する補助金事業に複数採択されている大学2校を訪問し、それぞれの実務者に対し国際化のガバナンス体制と組織、また課題の聞き取りを行った。
欧州については、欧州を中心とした世界各国から主として国際系の教職員が集うEuropean Association for International Education (EAIE)の年次総会に参加し、国際オフィスの機能、国際化のマネジメントに関するセミナーに集中的に参加するとともに、国際オフィス担当者との個別面談を通して欧州における傾向を把握し、またデータも取集した。
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| Strategy for Future Research Activity |
引き続き経営学上の組織論、マネジメント論を中心とした文献を読み進めるとともに、大学を対象とした同様の研究論文を精査し、分析の理論的枠組みを構築することを試みる。
さらに、前年度の一次調査で明らかになった課題を基に、対象となり得る国内大学の現状を資料などから整理、分析し、聞き取りの本調査を設計して、実施する。
また、欧州については、新たな学会（European Higher Education Society)に入会し、年次大会での報告および情報交換を計画している。また、個別に期間を訪問して、組織構造、ガバナンス体制、日本との連携における課題など聞き取り調査を実施する。これらの事例研究と欧州の大学の国際化に関する最新のデータから、欧州の現状を分析、考察する。
これらの日欧の比較を行うとともに、日欧の関係者を集めてセミナーを開催し、研究成果および関連領域について議論するとともに、共同研究の機会を探ることとする。
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| Causes of Carryover |
書籍の購入に際して、一部年度内配達が間に合わないものがあったため。残額は翌年度分と合わせて、書籍の購入、学会参加費および旅費、謝金などに使用予定である。
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