2018 Fiscal Year Research-status Report
「学び続ける教師」を育成する教員養成プログラムの開発:初年次教育に関する介入研究
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18K02743
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Research Institution | Momoyama Gakuin University of Education |
Principal Investigator |
梶田 叡一 桃山学院教育大学, 教育学部, 教授 (70000065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 首治朗 桃山学院教育大学, 教育学部, 教授 (40599354)
飯田 真人 桃山学院教育大学, 教育学部, 准教授 (00781064)
高木 悠哉 桃山学院教育大学, 教育学部, 准教授 (40572350)
村上 祐介 桃山学院教育大学, 教育学部, 講師 (10780190)
柴 恭史 桃山学院教育大学, 教育学部, 講師 (80761139)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 初年次教育 / 学び続ける教師 / マインドセット / 学習方略 |
Outline of Annual Research Achievements |
中央教育審議会においては、2015年に「学び続ける教員像」が提言された。 以上のような背景のもとで、本研究は大学生が「学ぶ態度(マインドセット)」の改善とその態度を生かして実際に学習を進めるための「効果的な学習方略」を習得するための初年次教育の在り方を研究することを目的とし、少人数制授業外指導プログラムを研究代表者・研究分担者の所属機関において実施し、その効果を分析した。 具体的には、①大学入学初年次の前期において希望者約41名を対象に全10回(90分×10 回)にわたり「マインドセット」と「学習方略」の指定文献の輪読を実施した。さらに、②後期には前期プログラムの参加者を中心に16名を対象に教育問題をテーマとしてディベートプログラムを実施した。 上記のプログラムによる介入を通じて参加者の知能観、学習の手段・方略などを保有しているという感覚、学習への関与・努力・持続性、そして本研究独自の指標としてプログラムを通じて学んだ学習方略を実際に生かすことができているかをインタビュー、アンケートをもとに質的・量的に分析した。 その結果、数量的調査を通じて、前期プログラムへの参加学生(介入群)とそれ以外の学生(統制群)双方において、「知能は固定的なものではなく成長していくもの」であるという潜在的な知能観への変化がみられたが、その差は統制群において顕著だった。また介入群は、プログラムで学んだ学習方略をより実行しようとするようになった。一方、質的調査を通じて、「マインドセットや学習方略の活用」といった直接的な効果のほか、「教職への応用」、「参加者同士の交友の拡大」など間接的な効果もみられた。さらに、後期のディベートプログラムに参加した学生においても、論理的思考や探究心などの批判的思考態度向上への動機づけが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に2018年度の活動として予定していた実践・研究は実施できており、一定の成果も得られた。希望者のみを対象としたことによる参加者のリクルートの問題(はじめから一定の増大的知能観を持つ学生のみが参加した可能性)や、担当教員の負担感などが課題として挙げられたため、今後正規の初年次教育における全学生を対象とした介入とそれをふまえた少人数制指導の実施などの改善点が見いだされた。 また、後期には新たな介入方策として当初予定していなかった追加的なディベートプログラムを実施した。このプログラムに対する学生の有意義度は極めて高く、この取り組みを通じて、批判的な思考態度向上への動機づけ、知識不足などの自覚が促されたが、一方で参加者の自己認識が知識の不足に集中するなど課題が残された。そのため、学習方略の習得における批判的思考態度の向上を意識的に目指すプログラムの開発が必要であると考えられる。 以上より、次年度のプログラム改善に向けて具体的な課題が抽出されたことから、本年度の研究は順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度の研究においては、2018年度の課題をふまえて正規の授業内でのマインドセット変容に関する講義等を実施し、より有効な学生への教育効果を目指す。 また、ディベートプログラムについても初年次学生のみならず上回生や教員も含めた全学的な参加を促し、十分な標本数にもとづくプログラムの有効性の検証を行う。
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Causes of Carryover |
本年度はプログラム参加者を少数で実施したため、当初想定していた物品費が圧縮された。また、本年度は主に学内でのプログラム試行に注力したため、当初計上していた学会発表および論文投稿に要する旅費・投稿料などの費用、および研究成果発表のシンポジウム実施費用が発生しなかった。 2019年度には本年度および来年度の成果をふまえた学会発表および論文投稿を計画しており、そこで一定の費用を必要とするほか、本年度実施できなかった研究成果の社会への発信のためシンポジウムの実施を企画しており、そこで要する物品費等に利用する計画である。
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