2020 Fiscal Year Research-status Report
盲聾者と健常者の双方向情報交換を可能とする障害補償システムの開発
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18K02813
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
大武 信之 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (10223851)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 点字ディスプレイ / 点字入力装置 / タブレット端末 |
Outline of Annual Research Achievements |
点字をコミュニケーション手段としている視覚障害者が、読み書きの道具として使用する「点字ディスプレイ」は、非常に高価な装置である上に、サイズも大きく、かなりの重量である。そこで令和2年度までに、タブレット端末で点字入力可能なソフトウェアを開発した。 点字は6点から成り、左右の人差し指・中指・薬指を使い入力するものであるが、タブレット端末での入力となると、当然タブレット画面は見えず、凹凸も無いため6点の位置関係が分からない。また利用者ごとに指の間隔も異なるため、6点の位置関係を固定の位置と固定のサイズで指定すると、利用者にとって使い勝手が非常に悪くなる。この問題を解消するために、本ソフトウェアを使用する際には、利用者が好む位置関係で入力できるよう初期設定機能を追加設計した。いわゆるキャリブレーション機能で、使用開始時に個人の好みに合わせ設定できるように設計まで行った。点字入力装置をタブレット端末で代替するため、これまで使い勝手悪かった重量・サイズの問題が解消される上、無線で使用できるため配線の面倒もなくなる。点字データは、点字コードのデファクト・スタンダードとなっている"North American Braille Computer Code"(NABCC)とし、データ転送は指定するIPアドレスへNABCCを送る設計とした。標準的な手の大きさを考慮すると8インチ程のタブレット端末の使い勝手が良いが、画面サイズの小さいスマホでも本ソフトウェアは利用可能である。実際、全盲の方に、キャリブレーション機能の無い版を使用して頂いたが、支障なく点字入力が行えた。しかしながら、その後、代表者の入院・手術・通院により、開発は中断した。 本件の研究期間は令和2年度までであったが、代表者の健康上の理由で中断したため、期間を1年延長し、令和3年度に未開発機能を追加し研究をまとめる計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上記項目「研究実績の概要」で述べました通り、研究期間は令和2年度まででしたが、代表者の健康上の理由により中断しました。
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Strategy for Future Research Activity |
本件の研究期間は令和2年度まででしたが、期間を1年延長し、令和3年度に、上記項目「研究実績の概要」で述べた未開発機能を追加し、研究をまとめる計画に変更します。 これまで研究成果は学会・研究会での発表を行っていましたが、令和2年度は所属する全ての研究会の開催が無くなり、令和3年度は研究会の開催は予定されているものの若手優先の少数精鋭が打ち出されているため、成果報告を如何に行うかの検討を研究開発と共に行い、例年並みの報告に値する方策を実施する予定です。
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Causes of Carryover |
代表者の入院・手術・通院による健康上の理由により、令和2年度は殆ど研究が行えなかったことによります。 次年度経費50万円を、開発に30万円、学会発表等に12万円、その他経費8万円を計画しています。ただし、学会発表には旅費・宿泊費を含んんでいますが、学会がオンライン開催へ変更の可能性もあるため、年度途中で使用種目の変更もあります。
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