2019 Fiscal Year Research-status Report
学習関与向上のためのゲーム教材・学習カリキュラム設計支援ツールの開発
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18K02855
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤本 徹 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 講師 (60589323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池尻 良平 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 特任講師 (40711031)
福山 佑樹 明星大学, 明星教育センター, 准教授 (90738353)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ゲーム学習 / ゲーミフィケーション / シリアスゲーム / 学習支援 / オンライン講座 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の2年目の取り組みとして、前年度に開発した教育活動のゲーム化のためのデザイン支援ツールのプロトタイプや形成的評価のためのワークショップをベースとしてオンライン講座「教育のゲーミフィケーション」を開発した。この講座は、教育にゲーミフィケーションを取り入れるためのゲームデザインの概要や事例を学び、ゲームを教育に取り入れる方法や、実際にゲーム教材やゲーム要素を取り入れた学習活動の計画を立てるための基本的な知識を身に付けるための4週間のオンライン学習プログラムである。edX edge上で試行的に公開し、395名が受講して学習活動に参加した。 次に、実施結果を評価してコンテンツの改訂を行い、MOOCプラットフォームのgaccoオンライン講座「学びのゲーミフィケーション:ゲームフルな学習デザイン方法論」として一般公開した。この講座は、実際の教育現場でゲーミフィケーションの知識を使って問題解決する学習課題を提供すること、関心に応じて、課題を自由に選択できること、相互評価レポート課題を協力的な参加を促すことで独習環境よりも学習継続しやすくする工夫を取り入れて設計した。2568名が受講し、本研究の活動成果をもとにした学習プログラムに参加した。ここまでに当初の研究実施項目として計画していた(1)個々の学習活動と相性の良いゲーム要素の調査・検討、(2)デザインフレームワーク・デザイン支援ツールの開発、(3)ゲーム学習導入のためのモデルカリキュラム、教師レッスンプログラムの開発、(4)教育現場での試行までの一連の活動を完了し、活動の評価と成果の発信の段階に入っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初研究実施項目として計画していた(1)個々の学習活動と相性の良いゲーム要素の調査・検討、(2)デザインフレームワーク・デザイン支援ツールの開発、(3)ゲーム学習導入のためのモデルカリキュラム、教師レッスンプログラムの開発、(4)教育現場での試行・評価、のそれぞれが進展し、研究成果をもとにしたモデルカリキュラムとしてオンライン講座の公開を行うことができた。デザインワークシートなどの支援ツールの開発について未完了のものがあるものの、計画していた成果の公開については前倒しで早期に実施できていることから、概ね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の今後の活動として、前年度に実施したオンライン講座の実施結果の評価を継続し、研究成果を発信することを軸に進める。当初は国際会議参加や対面での実証実験の実施を計画していたが、新型コロナウイルスの影響により、海外出張や対面での活動の実施に制約が生じた。そのため、実施が困難になった活動については大幅に計画を見直し、対面でのワークショップをオンライン開催に切り替え、国際会議はオンライン参加や論文投稿での成果発表とするなどの活動内容の変更を行う形で、当初計画に準じた研究活動を推進する方針である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた実験協力者への謝金については、公開講座として実施したことから発生せず、教材制作費や講座運営費に切り替えて支出した。旅費等の支出についても計画の変更により残額が生じた。次年度の使用については、論文投稿に付随して発生する費用や追加の教材制作費として使用する計画である。
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