2019 Fiscal Year Research-status Report
Astronomy education research for children through international collaboration
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18K02937
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
富田 晃彦 和歌山大学, 教育学部, 教授 (20294291)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 天文教育 / 科学教育 / 幼児教育 / 教員研修 / 国際天文学連合 |
Outline of Annual Research Achievements |
[1] 保育現場での教育実践:これまでの保育現場での教育実践「うちゅうのおはなし」の振り返り方法について、乳幼児期から小学校低学年期の「かがくあそび」を研究している大阪大谷大学のグループが主宰する活動 KSRUG に2019年4月から参加し、議論を行った。KSRUG は2020年2月から3月にかけてイギリス・ロンドン大学から Esme Glauert 氏を招待し、「かがくあそび」について議論を行った。 [2] 天文教育研究のレビュー:天文教育研究は、それぞれの国で閉じていて国際的な交流が不十分であるという課題がある。それぞれの国で天文教育研究のレビューを行い、データベースを構築して国際連携をするという動きがあり、それに対応して、2007年以降の天文教育研究のレビューを開始した。 [3] 天文教育のカリキュラム:特に日本とフィリピンの間の比較検討を、前年に続いて深めた。天文分野の学校教育カリキュラムや教員研修についての比較検討は、近年、国際的に特に注目されていることがらである。わたしたちの研究論文は現在査読中である。 [4] 国際連携のもとでの教員研修:国際天文学連合の天文教育の作業部会が開発した天文分野の教員研修プログラムNASEを2019年11月、日本で初めて開催し、その実行委員会の代表を務めた。海外からの参加者を含め、小中校の学校の先生を含む52名の参加者に、日英二ヶ国語で、初等レベルから中等レベルの、体験活動を主体とした実践的な研修を行った。この講座の評価を含めた論文を準備している。この講座内容から派生して、視覚障害を持つ子ども向けの教材開発も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
[1] 保育現場での教育実践:保育現場を訪問して実践をするだけでなく、実践の振り返り方法の確立とそれを研究論文としてまとめることが、本研究課題で目標にしていることである。大学教員、科学館スタッフ、科学教育のNPOスタッフ、こども園の園長等が参加する研究グループ KSRUG に参加し、また、幼児科学教育の評価の研究で世界的に活躍の研究者から助言をいただくなど、多角的な議論が進んだため。 [2] 天文教育研究のレビュー:2007年から2019年の100を超える研究論文を調査し、初期的なレビューを終えることができたため。 [3] 天文教育のカリキュラム:研究論文をまとめ、国際誌に投稿するところまで進めることができたため。 [4] 国際連携のもとでの教員研修:教員研修プログラムNASEの日本で初めての開催を成功させ、その評価を含めた論文執筆まで進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
[1] 保育現場での教育実践:研究論文や、成果の公開に向けて進めたい。 [2] 天文教育研究のレビュー:共同研究者とともに、データベースの構築に向けて進めたい。また、レビュー論文を準備したい。 [3] 天文教育のカリキュラム:国際誌に投稿した研究論文の掲載決定まで進めたい。 [4] 国際連携のもとでの教員研修:教員研修プログラムNASEの多角的な継続を進めたい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:2020年1月から3月のうちに、イランの天文分野の学校教員の協議会(ITAU)の大会参加を考えていたが、国際情勢の悪化で取りやめたため。また、2020年3月1日に予定していた、幼児期から小学校低学年期の「かがくあそび」の公開研究会が COVID-19 の影響で中止になり、招待する研究者のための旅費を使わずじまいとなったため。 使用計画:[1] 保育現場での教育実践:特に成果の公開でオンラインの教材開発のため、[2] 天文教育研究のレビュー:特にデータベースの構築のため、[3] 天文教育・教員研修のカリキュラム:特に国際的なサーベイと必要ならインタビューのため、[4] 国際連携のもとでの教員研修:特に教員研修プログラムNASEのオンライン版開発のため、また、2020年12月にアルゼンチンで開かれる国際天文学連合第367回シンポジウムに出席のため、パソコンやカメラの更新、消耗品や旅費を使う予定。
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Research Products
(25 results)