2020 Fiscal Year Research-status Report
Astronomy education research for children through international collaboration
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18K02937
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
富田 晃彦 和歌山大学, 教育学部, 教授 (20294291)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 天文教育 / 科学教育 / 幼児教育 / 教員研修 / 国際天文学連合 |
Outline of Annual Research Achievements |
[1] 保育現場での教育実践:これまでの保育現場での教育実践「うちゅうのおはなし」の振り返り方法について、乳幼児期から小学校低学年期の「かがくあそび」を研究している大阪大谷大学の小谷卓也教授を中心とするグループ KSRUG に引き続き参加し、議論を行った。KSRUG は2021年3月7日にオンラインでシンポジウム「乳幼児期のクリエイティブな思考を育む物的・人的環境の創造」を開いた。感染症拡大のため、保育現場等に直接出向くのは2021年2月になってからの再開となった。直接の訪問は今後も難しい見通しである。 [2] 天文教育研究のレビュー:2007年以降の天文教育研究のレビューについて、日本天文教育普及研究会の論文アーカイブ・ワーキング・グループでの議論をもとに、国際天文学連合の研究会 AstroEdu Conference 2019 での発表としてまとめたものが出版となった。 [3] 天文教育のカリキュラム:日本とフィリピンの間の比較検討の研究論文が、査読論文として出版となった。 [4] 国際連携のもとでの教員研修:イランの学校教員のグループと連携し、他の国々にも呼びかけ、2021年3月の春分を機にした学校教員や児童・生徒との交流を実践した。今後、二至二分などの機会を利用して学校間交流を定期的に行うための基礎とした。公開の講座ではなく希望する大学生を対象とした試行であるが、国際天文学連合の天文教育の作業部会が開発した天文分野の教員研修プログラムNASEのオンライン講座をNASE代表・副代表との議論とともに実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
[1] 保育現場での教育実践:感染症拡大のため、保育現場を訪問して実践をする機会がかなり減った。オンラインでの実践を始め、年度後半に実践をいくつかできた。この点で、半分程度の達成である。幼児教育や心理学を専門とする大学教員、科学館スタッフ、科学教育のNPOスタッフ、こども園の園長等が参加する研究グループ KSRUG に参加して議論を進めたかったが、感染症拡大のため、年度前半は議論を進められなかった。以上から、この項目として、半分程度の達成にとどまった。 [2] 天文教育研究のレビュー:一本目の論文が無事に出版となった。以上から、この項目として、本年度の目標を達成した。 [3] 天文教育のカリキュラム:一本目の論文が無事に出版となった。以上から、この項目として、本年度の目標を達成した。 [4] 国際連携のもとでの教員研修:公開の講座ではなく希望する大学生を対象とした試行であるが、国際天文学連合の天文教育の作業部会が開発した天文分野の教員研修プログラムNASEのオンライン講座を実施した。また、イランの学校教員のグループと連携を始めることができた。以上から、この項目として、本年の目標は達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
[1] 保育現場での教育実践:研究論文や、成果の公開に向けて進めたい。当初、成果の公表の場として考えていた天文教育実践プラットフォーム astroEDU が2020年で一旦終了となったので、その方法を採ることができなくなった。その代わりに、保育現場での実践記録を保育者とともに自由に議論し改変できる自作のウェブサイトを検討し、2021年度中の完成と運用を目指す。 [2] 天文教育研究のレビュー:各論の論文を準備している。 [3] 天文教育のカリキュラム:各論の論文を準備している。 [4] 国際連携のもとでの教員研修:二至二分を機にした、学校教員と児童生徒どうしの国際交流を進め、それを基にした実践研究を計画している。また、NASEのオンライン講座の改訂版の試行を計画している。
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Causes of Carryover |
国際学会や研究会の参加を見越し、そのための参加費、旅費や滞在費として予定していたものがあった。一部は延期となり、予定の年度での参加ができず、他はオンライン開催となった。オンライン開催のものは、参加費が無料になった。また、旅費や滞在費は不要になった。これらは額として大きめのものであったが、これらが発生しなかったため、翌年度へ送った額が大きくなった。研究のまとめのための研究会参加費や資料まとめのための支出という当初の計画の部分は変わらない。感染症拡大の対策が必要な時代となったため、研究実践で行う天体観望会の方法の再検討が必要であり、そのための電子望遠鏡の購入を翌年度に送った額を併せて行いたい。
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Research Products
(30 results)