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2020 Fiscal Year Research-status Report

「深い学び」を実現するための「理論―実践-評価モデル」の構築と実践に関する研究

Research Project

Project/Area Number 18K02957
Research InstitutionKyoto University of Education

Principal Investigator

村上 忠幸  京都教育大学, 教育学部, 教授 (20314297)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 樋口 とみ子  京都教育大学, 教育創生リージョナルセンター機構, 教授 (80402981)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywordsメタ認知 / 探究学習 / 省察 / 評価ツール / 資質・能力 / 教員研修 / マルチプル・インテリジェンス / 学びの場づくり
Outline of Annual Research Achievements

新しい時代の学びにおける中心的課題は「深い学び」の実現に向けて、何を基本として具体化していけばよいかという点にある。本研究の3年目として理論的及び実践的側面については一定の成果をあげてきた。すなわち、「深い学び」をつくる「学びの場づくり」(主に授業)の視点に基づき自由度の高い協働的な探究学習の実践を可能とする要件を見出し、理論的側面とした。また、それを授業として実践するとともに、教員研修によって教員の資質・能力の育成を図り成果を上げた。「深い学び」の実現に向けて、理論的・実践的な基本を具体化することができた。
本研究の目的は「深い学び」のための「理論-実践-評価モデル」の構築にあるが、「評価」についての検討が3年目として進捗途上となった。3年目、探究学習を有意義な学びにするためには「メタ認知」がポイントになることを見出した。すなわち、評価のなかに「メタ認知」を基調とする省察を加えることで、児童・生徒の資質・能力の育成を促すことができる。これは、グローバルな流れの中で強調されている概念であり,日本ではこれから実現していく,ある意味、新しい教育という位置づけという認識である。これからは探究学習と省察を一体化して探究学習の自由度と協働性を保障するような取り組みの必要性を押さえた。
以上から、3年目の本研究の実績として「理論-実践-評価モデル」における理論、実践については教員研修等を通じて有効性を検討、検証した。一方、評価については従来の枠組みに対して直接評価、間接評価それぞれの質的評価の中に、学習者の探究的経験に基づく自己評価を盛り込む試みを実践した。具合的には、探究学習と省察を一体化する中で、省察における自己評価・他者評価を同時に可視化する評価ツールの開発・実践・検証においてその有効性を示唆することができた。本研究は1年延長したので、その有効性の検証と実践的な成果を企図したい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

探究学習を経験学習として捉えると、学習としてのメタ認知は、省察を導入することが効果的であり、それによって探究的な経験に埋め込まれた科学的な見方・考え方が顕在化し、概念化・理論化が促される。このような知見を束ねて、授業や活動の「深い学び」を評価することを目的として、質的アプローチを活用した評価方略が有効と考え、その検討を進めてきた。理論・開発研究と実践研究を並行して効果を検証してきた。以下、各取り組みについて進捗状況を評価する。
① 理論研究:「新しい能力」「深い学び」「探究学習」の関係を明瞭化するため、自由度の高い協働的な探究学習を軸に、マルチプルインテイリジェンス理論、messing about(自由試行)、コルトハーヘンの省察モデル、ディープ・アクティブラーニング等の親和性のある理論との整合性を図り「学びの場づくり」の実践を支えることができた。また、「海外の先進事例(オランダ)の調査等をふまえ、特に評価につながる部分について整理し「理論-実践-評価モデル」として概念構築が進捗した。
② 開発研究:理論研究の成果をもとにして、小・中・高・大の探究学習や教員研修において、探究学習を「理論-実践-評価モデル」とするための評価法(質的アプローチに基づく評価方略)の骨格を設計した。
③ 実践研究:②の成果を実践に活かし、②にフィードバックを繰り返しながら、評価の方法論を構築し、探究学習における「理論-実践-評価モデル」を完成を目指した。
④ 評価研究:「理論-実践-評価モデル」の有効性について実践的に検証し、普及を企図する取り組みにおいてさらに1年(延長)が要することになった。

Strategy for Future Research Activity

本研究における実践研究及び評価研究において、当初設定した2018~2020年度の研究期間の3年目(2020年度)に予定した授業実践、教員研修、海外調査が十分に遂行できなかったため、1年延長して実践、検証を行う予定である。
具体的には、コロナ禍における2021年度も2020年度と同様な社会的状況が続いているため、実践及び調査において対面および現地における活動が十分にできないと予想さる。したがって、基本的には、オンラインによる実践や調査を取り入れ、当初の計画を実現できるように工夫する。また、ポストコロナ時代における「深い学び」の実現に向けても対応できる「理論-実践-評価モデル」を想定した取り組みを検討している。

Causes of Carryover

本研究における実践研究及び評価研究において、当初設定した2018~2020年度の研究期間の3年目(2020年度)に予定した授業実践、教員研修が一部しか遂行できなかったこと、また、海外調査が全く実施できなかったため、1年延長して実践、調査、検証を行う予定である。
具体的には、コロナ禍における2021年度も2020年度と同様な社会的状況が続いているため、実践及び調査において対面および現地における活動が十分にできないと予想さる。したがって、基本的には、オンラインによる実践や調査を取り入れ、当初の計画を実現できるように工夫する。また、ポストコロナ時代における「深い学び」の実現に向けても対応できる「理論-実践-評価モデル」を想定した取り組みを検討する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2021 2020

All Journal Article (3 results) (of which Open Access: 3 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 前仮説段階は自由で協働的な探究の場 -アウトプットに満ち溢れている,「場づくり」の大切さ-2021

    • Author(s)
      村上忠幸
    • Journal Title

      理科の教育

      Volume: 70(1) Pages: 5-8

    • Open Access
  • [Journal Article] コルトハーヘンのコア・リフレクションに関する一考察2021

    • Author(s)
      村上忠幸・清水凌平
    • Journal Title

      京都教育大学教職キャリア高度化 センター教育実践研究紀要

      Volume: 第3号 Pages: 209-218

    • Open Access
  • [Journal Article] 多様で協働的な学習活動を実現するための、マルチプルインテリジェンス理論およびデボノの帽子の活用・実践2021

    • Author(s)
      清水凌平・村上忠幸
    • Journal Title

      京都教育大学教職キャリア高度化 センター教育実践研究紀要

      Volume: 第3号 Pages: 219-226

    • Open Access
  • [Presentation] メタ認知を認識する経験の必要性2020

    • Author(s)
      村上忠幸
    • Organizer
      日本理科教育学会全国大会(岡山大会)

URL: 

Published: 2021-12-27  

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