2018 Fiscal Year Research-status Report
対人ストレス状況下の自己制御:日常生活におけるプロセス検証とマインドセット介入
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18K03016
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
尾崎 由佳 東洋大学, 社会学部, 准教授 (50459434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨宮 有里 神奈川大学, 人間科学部, 非常勤講師 (00625501)
高 史明 神奈川大学, 人間科学部, 非常勤講師 (90594276)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 社会的認知・感情 / 態度・信念 / 社会的相互作用・対人関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会生活を送る中で、人間はさまざまな対人ストレス(葛藤・対立・攻撃・排斥など)を経験する。本研究は、日常生活において経験される対人ストレスおよびそれに対する反応の実態を調べるとともに、関与する心理過程の解明、また適切な反応を促進する介入法の開発をおこなうことを目的としている。特に、ストレスが心身の健康に与える影響に関して人々が素朴に抱いている信念(マインドセット)に着目した検証を行う。 当該年度においては、対人ストレスマインドセット対人ストレスが日常的にどのように経験され、そのストレスの与える影響について人々がどのような信念を素朴に抱いているのかを調べることを目指した。 まず、対人ストレスとその影響に関して、どのような種類のマインドセットが一般的に共有されているのかを調べるために、大学者を回答者として自由記述を収集する調査を行った。具体的な調査成果は、以下の2点である。1)大学生が素朴に(素人理論的に)抱いている対人ストレス・マインドセットはどのような内容か、それらはどのようなカテゴリに分類されるか、各カテゴリはどのくらいの頻度で出現するかを検証した。2)対人ストレス・マインドセットが、ストレスイベント経験とストレス反応(対処方略や精神的健康)との関係性を調整するかを検証した。 また、上記の調査結果をもとに、対人ストレスの日常的実態を明らかにすることを目的とした、国内に居住する成人を対象とした縦断調査(経験サンプリング法)を次年度に実施するための準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおりに自由記述を収集する調査を行い、充実した成果を挙げることができた。その調査結果をもとに、経験サンプリング法を用いた調査を当該年度内に行う予定であったが、こちらに関しては念入りな準備を進めるために時間がかかり、年度をまたいだ調査実施となった点において、やや予定よりも進行が遅くなった。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の成果を踏まえ、対人ストレスに関連するマインドセットとその影響について調べる。具体的には、マインドセットの違いがストレス状況における反応制御にどのような影響を及ぼしているか、それらをうけて社会的関係性や精神的健康がどのような時系列的変化を示すかを明らかにするため、縦断調査(経験サンプリング法)を実施する。 その後の方針としては、マインドセット介入法を開発し、その効果検証を行う。複数の介入法が考案できる可能性があること、また検証結果にもとづいて手法の改善および再検討を行うために、介入実験とその追跡調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究代表者については、当該年度に予定されていた経験サンプリング調査の実施が予定よりも遅れ、年度をまたいだ実施となったため、その調査委託費の支払いが次年度に繰り越しとなった。また、研究分担者(雨宮)については、忌引きによる学会参加の見合わせ(交通費)、および、抑うつと対人ストレスに関する実験計画練り直しと2019年度での実施予定が理由として挙げられる。もうひとりの研究分担者(高)については、当該課題の成果の発表を行わなかったため旅費を使用せず、繰り越しが生じた。2019年度中に、文献購入および成果発表のための旅費として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)